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第三回魔王討伐会議(仮)へようこそ!

第二回魔王討伐会議(仮)の次の日


「父さま、前々からお話し下さっている6歳の誕生日の件なのですが…」


「おぉ、欲しいものが決まったのかい?何でも言ってみなさい。」


「はい!馬と荷馬車が欲しいです!今後父さまのお仕事を手伝って行くためにも行商とまでは言わなくとも様々な土地を巡り見識を広げる事はきっと仕事の役に立つと思うのです。なのでよろしければ是非お考え頂けないでしょうか…。」


「ほぅ…馬と荷馬車か…まだ早いとは思うが…確かにお前の言う事も一理あるだろう。我が息子ながら見上げた志だと思うぞ。荷馬車をすぐに用意するわけにはいかないから馬だけでも今度見てみよう。世話の仕方や信頼関係を得るためにも最低限の調教を受けた若い馬からにしてみるか。それで構わないな?」


ふむ、まぁおそらく荷馬車は

完成品を買うんじゃなくオーダーする気だろう

だから完成が間に合わないって事か。

馬の寿命ってどれくらいなんだろな。

どうせなら後学の為にも見に行きたいところだが

素直に聞いてみるか。


「はい。それで構いません!ありがとうございます!それでですね…馬を買って頂く際に一緒に着いて行く事って可能でしょうか?何事も経験するに勝る勉強はありませんから。」


「馬市か…どうせなら王都で買おうと思ってたから移動が長いが…お前の見識を広げる為にも一緒に来てみるか?もちろんシエルとジェドも連れて行けばいい。馬車で片道3日ほどの距離で不便だと思うがそれでも来るか?」


「本当ですか!?ありがとうございます!」


なんと!近場かと思ったら王都デビューか!

これは是が非でも行かねばならない。

誕生日の2日前から馬市が立つらしいから

それに合わせての移動で誕生日は

王都で迎える事になりそうだ。

知り合いの商会への俺の顔見せも含めて

丁度いいと言う事でトントン拍子で話が進む。


そして夜。


「第三回魔王討伐会議(仮)!開会を宣言する」


「今回はまた早いな…今回の案件?はなんだ?昨日話した馬の件か?」


「それ以外無いでしょう。それでラシッド様、馬と荷馬車の件、どうでしたか?」


「あぁ、荷馬車は誕生日には間に合わないだろうから発注だけなようだが馬は買いに行く事が決定したぞ。なんと王都まで買いに行くことになった。もちろんお前らも一緒にだ。片道3日の馬車旅で向こうで3〜4泊してから帰ってくる予定だな。拒否権はないから支度はしておけよ。」


「王都ですか!ラシッド様のお供としてですがとても楽しみですね!また誕生日も御一緒させて頂けるなんて夢のようです!すぐさま支度しておきます!」


「また長旅だなぁ。まぁ俺も王都へ行くのは初めてだし楽しみだな。着替えだけ持ってけばいいのか?風呂はしばらくお預けか…。」


「お前どんだけ風呂好きなの?てかジェドは護衛も兼ねるというかそれが仕事なんだから真面目に考えて準備しろよ?」


「あーそうか。そうだよな…ま、雇われてる以上仕事はしねぇとだよな。つっても6歳と7歳のガキばっかで何が出来るかって話だけどな。」


「いやいや、お前ら2人とも加護持ちだろ?ジェドは周りをよく見てりゃ悪い事考えてるやつがわかるしそいつをシエルが魅了すりゃなんでも出来るだろが。」


「あーなるほど。」

「あっ、そ、そうですね…。」


「頼りにしてるぜ?お前ら!人の弱みはつけ込んだ奴が勝つんだ。その力があるならガンガン使っていこうぜ。ただし、独断で動くなよ?」


「了解した。相変わらず腹黒いな。」


「分かりました。ラシッド様。必ずやお役に立ってみせます!」


「シエルちょっと堅くない?この場ではもうちょい砕けていいよ?」


「い、いえ、メイドとしてそういう訳にはいきません…ジェドはともかくラシッド様に対して砕けた口調でお話しするなどとても…」


「いやいや、俺ら幼馴染みたいなもんだし親しき仲にも礼儀ありって事さえ分かってくれてれば俺には文句ないから。それともあまり堅くし過ぎるなって命じた方がいいか?」


「そ、そこまで仰られるようならこの場では堅苦しくない様にしますね…。」


「あぁそれでいい。さて、王都へ行く準備をするって話は理解したな?そのついでに俺は父さまの知り合いの商会にも挨拶をしなきゃならんようだから待機時間もあると思うから情報収集にも動いてもらう可能性もあるからその時は頼むぞ。」


「情報収集ですか?それは…魔眼を使ってでしょうか?」


「いや、今の所は王都へ行ってみない事には何とも言えないな。けど、どちらかと言えばジェドメインで商売に役立ちそうな話を集めてもらう予定でいる。シエルはジェドに付いて集めた情報やそれに関係した情報をジェドを使って指示出しながら詳しくまとめてほしい。ジェド1人じゃ情報をまとめるのは不安だからな。ウルダには俺とシエルの間を移動してもらって伝達手段になってもらいたいところだが…その辺も含めて現地で要相談で行こうと思う。シエルの魔眼は緊急時の対抗手段としてあまり表に出したくないのが本音だな。」


シエルが上手く話を振って

ジェドの読心で情報収集。

ウルダは2人の護衛と緊急時の伝達も頼む。

スラムがあるかは知らんがおそらく

そんな所には行かないと思うし

この程度で問題無いだろう。


「分かりました。集めた情報はこちらでまとめつつラシッド様のお役に立つ情報をジェドを使ってきっと集めてみせます。」


「熱が入りすぎて危険な場所に行くような真似はするなよ。土地勘の無い場所で広く移動するのは危険だからな。情報収集してるのがバレて能力に勘付かれたらそれはそれで攫われる危険性もあるからな?疑いだしたらキリが無いから臨機応変にな。最悪シエルの魔眼使えば何とかなるだろ。」


「流石人生2度目ともなると色々思いつくもんだな。俺はとりあえずシエルの指示に大人しく従ってればいいんだな?頼んだぜシエル!」


「全く…いいですか、何か面白そうな事に気付いても必ず私を介してから行動を起こすようにして下さいよ?先走ったらウルダ様に物理的に止めて頂きますからね。よろしくお願いしますね、ウルダ様。」


「クルルルル」


ウルダは片目を閉じてジト目でジェドを見た後

シエルに向き直りゆっくり瞬きをした。

ホント頭いいよなぁ…。


「よし!これでひとまず第三回魔王討伐会議(仮)は終了だな!各自準備を怠らない様に!あ、あと出発前に妹の誕生日があるけど今回は身内で済ませるみたいだから気にしないでそのまま準備を進めるように!」






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