表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者、目指してます。  作者: とんび
頂点を極めた者
34/34

えぴろーぐ

☆☆☆




「くっくっくっく。そうか、俺が学年の支配者か。正義っぽくはないが、中々悪くない気分――イタイッ!」


「バカ光貴! 番長なんて書かれて喜ばないでよ。うう……光貴が変人や変態さんだけでは飽きたらず、番長になっちゃうなんて」


 決闘の翌日、俺たちが登校してくると掲示板の前にクラスメイトが群がっていた。どうしたことかと覗いてみれば、『新番長爆誕!! 最強の変人、黒野光貴!』という見出しの校内新聞が貼られていたのだ。まず間違いなく智菜の仕業だろう。仕事の早い奴だ。


「というか、香坂さん、問題は見出しより記事の中身だよ」


 武田の言葉で俺は校内新聞の続きを読み始める。ちなみに隣のクラスの武田がいるのはいつものことだ。自分のクラスに居づらいのだろう。なにせはぶられているようだからな。なになに……。




 先日、第一回神之宮中等部一学年最強王者決定戦で新たなチャンピオンが決定した。戦いは『最強の番長』忠野虎牙と『神之宮中等部史上最も変な男』黒野光貴の二人で行われた。




「なんだこの『神之宮中等部史上最も変な男』ってのは!」


「違うよ光貴。そこじゃない記事の最後だよ」


 最後? なんだというのだ。




 これにより、忠野虎牙も『光貴一派』の仲間入りを果たした。結果『光貴一派』には『荒ぶる猟犬』こと織田香織、『魔法少女(自称)』こと夢野結芽、『シスコン変態の裏番長』こと武田、『新番長の愛人』香坂律、そして今回加盟した『最強の元番長』ことウンコマン……失礼、忠野虎牙と、『光貴一派』を率いる『変人番長』こと黒野光貴の総勢六名が所属することになった。そのメンバーの誰もが無茶苦茶ばかりする破天荒な性格だが、こちらから危害を加えない限り、害はないと思われるので安心して欲しい。筆者個人としては、とても興味深い人間ばかりであると一応記しておこう。――――――河野智菜




「えええええええええええ!? 何これ!? なんで私、光貴の愛人なのよ! 恋人ならともかく! あ! いや! そうじゃなくて! 大体、なんでこんな危ないグループ結成みたいな感じで書かれてるの!? 出てこーいっ 新聞ちゃん!! ざっけんなっ!」


 さっそく校内新聞を引きちぎるとビリビリにしてゴミ箱にシュートする律。なんか前にも見たな、この光景。


「香坂さんはまだ良いじゃないか。僕なんて『シスコン変態の裏番長』だよ? しかも、僕だけ名字のみって……。僕のこつこつと積み上げたイメージが崩れ去っていくぅ……」


 大丈夫だ武田。お前のイメージ通りの二つ名だぞ。


「おい! てめぇら見たか? この記事!」


「なんだかすごいことになってるのです」


「……」


 教室のドアを蹴破る勢いで香織と結芽と虎牙が現れた。香織の持つ新聞を律は素早く奪い取るとやはりビリビリにして捨ててしまう。……律の鼻息が荒い。どうやら相当お怒りのようだった。奪われた新聞のことなど気にせず香織がうっとりとした表情で拳を握っている。


「いいよなぁ『荒ぶる猟犬』かぁ。あたし、ともっちのこと好きになっちまったかもしんねーぜ」


「自称ってなんですか自称って。私は正真正銘の魔法少女なのです」


「……ウンコマン」


 どうやら結芽と虎牙は香織と違って不満があるらしい。まあ、虎牙に至ってはキレても良いレベルだと俺も思う。


 そう、あの時、虎牙は漏らしてしまったのだ。立ち上がるために力を入れた瞬間、それが最後の砦をも崩壊させたというわけだ。臭いに気づいた野次馬生徒共はモーゼが操る海のように出口までの道を作ってやっていた。それにしても腹を下した状態で俺をあそこまで追い詰めるとは、やはりこの男、只者ではないと言うことか。


 そんな彼らの話を聞いて律の怒りゲージがまた上がったようだった。


「それに! 私たち『光貴一派』なんていう訳のわかんない名前で一括りにされちゃったんだよ!? みんないいの? そんなんで!」


「僕は、まあ、不本意すぎるけど光貴の下僕ってなっちゃってるから」と武田。


「こうちゃん、楽しいので私はいいですよ?」と結芽。


「光貴はあたしのご主人様だからな」と香織。


「負けたからな。……ウンコマンは拒否するが」と虎牙。


「あはは……そ、そうなんだ」


 心なしか律の顔色が悪い気がする。……そんなに嫌なのか? ……仕方ない。


「律、そんなに嫌なら、俺がちゃんと訂正するように智菜に言ってきてやる」


「え? あ、いや、ご、ごめん、光貴と一緒にされるのが嫌な訳じゃ――」


「『愛人』なんて失礼な話だ。俺は律一筋なのにな。『恋人』にし――ガッ!」


 鈍器で殴られたような痛みを頭部に受け、イタイと言う余裕もなく俺は倒れた。くらくらする頭を持ち上げて見上げると椅子を振り下ろした律が顔を真っ赤にして立っていた。……椅子はダメだろう。椅子は。


「私は、光貴の恋人でもないんだから! あ、ミ、ミキちゃん! おはよう!」


 律の前の席の女子クラスメイトが登校してきた。いつもどおり律と挨拶を交し、会話しながら席に着くと思ったのだが。


 ビクッ! ササッ。


「な、なんで逃げるの? 私だよ? ミキちゃんの親友の香坂律だよ?」


 サササササッ!


「…………りっちゃん、ごめんね。私、もう怖くて。……さようなら」


 ミキちゃんなる人物はそそくさと離れて行ってしまった。律の肩ががっくりと下がっている。


「え……。……………あー、そっかぁ。やっぱりこうなるんだぁ。……あははー」


 影になって表情がよく見えないが、もしかして、笑っている、のか?


「……私、新聞ちゃんと決闘してくる。そんで新聞ちゃん下僕にして訂正記事を書かせてやるんだから!」


「ちょ、ちょっと待って香坂さん! 椅子! 椅子なんて持って何するつもり!?」


「ダメだ。香坂律が危険を冒す必要はない。オレが行こう」


「ややこしくなるので、ごうちゃんは黙っててください」


「あたしは応援するぜ! いけぇい! 律っち!」


「かおちゃんも、止めてください。りっちゃん、目がマジです」


 決闘か……。この場合、俺はどうやって守れば良いんだろうな。補助魔術でもばれないようにかけてやるとするか。


 結局、みんなの制止を振り切り、律は新聞部に乗り込んでしまうのだった。







光貴たちの物語はこれで終わりです。


最後まで読んでくださり本当にありがとうございます!

こうやって、最後まで付きあってくれた人がいるということがとても嬉しいです。


よろしければ感想お待ちしております。厳しい意見でももちろん歓迎!



次回、予定している作品は、多分『SF』です。

書き上げたときの周囲の評価は過去最高に良かったので、楽しみにしていてください! ……ハードルあげちゃった(・・;)


追記:新作あげました! よろしくお願いします!

http://ncode.syosetu.com/n1286bg/


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ