第0話 私は語り部、世界を知る者
……やぁ。初めましてかな?
ここに来たってことは、僕の話を聞いてくれるってことでいいよね?
よし、じゃあ話そうか。
僕の名前かい?僕の名前は……いや、ここで言ってもしょうがないかな。
この後話す物語にはたくさんの人が出てくるからね。
僕のことは今から話す物語の語り部さんってぐらいの認識でいいさ。
君に聞いてもらって、そして覚えて欲しいのは、僕じゃなくて、物語の登場人物たちなんだから。
……話に入る前に、何で物語を語るのかを知りたいって?
そうだな、それは知っておく必要があるかもしれない。
わかった。じゃあ、もう少し話そうか。
物語を話す理由が知りたいんだったよね。
じゃあ、君に質問だ。
『人間』って知ってる?
……そうか、知ってるか。
なら『人』って知ってるかな?
……うんうん、知ってるって答えてくれるくれると思ってた。
バカにしてるわけじゃないよ、ほんとさ。
でもね、君は『人間』と『人』が同じだと思ってるんじゃないかな?
……なるほど。人は個人を意味していて、人間は人の総称か。
確かに僕たちの世界の常識だと、そういう答えになるのかな。
でもね、実はそれって違うんだよ。
僕はね、その違いも教えたくて、今から君に物語を話そうと思ってるんだ。
もったいつけずに違いを教えてくれって?
先に答えを言ってしまうと、君が物語を聞いてくれるか心配なんだけどな。
……ほんとかい?答えを言っても、話を聞いてくれるのか。なら先に答えを言うよ。
『人間はね、人と人が作ったものなんだ』
ん?……違う違う。
確かにそうだよね。今の言い方だと当たり前じゃんって言いたくなるよね。
君がお父さんとお母さんから生まれたのも、確かにこの言葉に当てはまるか。
もったいつけすぎたね。ちゃんと言うよ。
『人間はね、天使と悪魔が作ったものなんだ』
……どうしたんだい、ポカンとして?
御伽話だと思うかい?
そうだね、僕たちの世界でも神様とか天使とかが世界を作ったって話は沢山あるからね。
でもね、僕は君に断言するよ。
君を生み出したのは神様なんかじゃない、天使と悪魔っていう人なんだ。
驚いたかい?そうなんだ。
『人』っていうのは天使と悪魔のこと。
そして君が、人の間で出来た『人間』だ。
妄想だと思ってくれても構わないさ。
でも君は約束したよね、僕の物語をちゃんと最後まで聞くって。
……おいおい、嫌そうな顔をしないでくれ。
時間はたっぷりあるだろ?
なかなか楽しい、ファンタジーなお話だから、退屈させないって約束する。
……大人しく聞く気になったかな?
いいね、そうこなくっちゃ。
これは君が住んでいる地球が、アースランドと呼ばれていた時代の話。
その主人公、天使アデルくんの冒険譚だ。
じゃあ、物語を話し始めようか。
はじめましてゴシといいます。
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