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第147話 祭りを増やした時の事

物凄く遅れました。申し訳りません。

なんで148話になってたんだろう。

「じゃーコレを、島の村にいる代表に渡せばいいんだな!」

「そうそう、適当に誰かを捕まえて、代表さんに渡してって言えば平気だから」

「任せろ!」

 俺は、ファーシルに手紙を渡し、運んでもらう事にした。コレが成功すれば、村から村への郵便配達や宅配業もできる。まぁ細かい家に配達は無理だから、指定された場所へ送ってから、誰かが配達になるけどな。



 俺は、第一村の多目的家屋を集合場所にして、集まってもらうことにした。

「はい……第一回、各村代表者会議を開催します。えー、各村の代表に集まってもらったのは、事前にハーピー族に運んでもらった、手紙で通達した通りです。祭りを二つ増やそうと思っています。収穫祭と年越祭だけでは、なんか物足りないと思ってるんですよねー」

「ふむ。娯楽を増やそうというわけですな?」

「あの神父様? 俺は榎本さんか織田さんを呼んだんですが……」

 さっきから気になってたんだよな、なんでどっちもいないんだ?と。

「そう言う話し合いは、わけぇ者に任せる。そう言って押しつけられました。足腰が強くても、ご老体ですからね。仕方ないと思います」

「そ、そうですか」

 ただ単に、めんどくさいだけじゃねぇの?

「おい、増やすのは良いけどよ、どう増やすんだよ?」

「そうですよ、なにか案があるんですか?」

 第一村からは、運が悪かった村長。第三村からはトローさんが出ている。

「収穫祭と年越祭の間隔は、だいたい九十日ほど開いています。だから、年越祭から九十日、それから九十日、それから九十日したら収穫祭と言う感じですね」

「お、おう……」

「んー、たしかにそう言われてみればそうでした、大体季節の節目ですよね」

「で、なにすんだよ?」

「二つとも、馬鹿騒ぎ系ですので、残り二つも馬鹿騒ぎにするか、体を動かす系にするかですね」

 運動会とか色々あるからな。

「なんだ、畑の速耕し競争でもするのか?」

 どっかの国に草刈り大会とかあった気がする。法被(はっぴ)着た眼鏡の人が世界中の祭りに参加してたから知ってる。

「……いや、そう言うのじゃなくてですね? 遠くの的に、矢を誰が一番当てられるとか。砂浜で、打撃系を一切無くして組み伏せるとか。足の速さを競うとか、力自慢、色々あります」

「なら、頭を使うのも欲しいですね。最近商人が持ってきた娯楽の、リバーシやら、チェスもある。私のような者は、畑仕事をしているとは言え、体を動かすのは苦手ですから」

 そういえば、最近島内で流行ってるよな。俺は興味ないけど。

「そうですね、頭を使うのも良いですね。それでですね、観光事業も増やそうと思ってまして、そう言う方々も巻き込んで、島全体で祭りもやりたいとも思ってるんですよ」

「観光ってなにするんだよ」

「だから祭りです。まぁ、噂が広がるまで無理だと思いますが、季節が十回巡るまでには、かなり大きくしたいですね。それに、皆さんは気がついてないと思いますが、この島ってかなり美しいんですよ」

「まぁ」「たしかに」

「そこで試験的に、商人や船乗り達の宿屋や酒場と言った娯楽も、試験的に用意して、反応を見てみましょう、そして、偶然祭りの日に来た人達に噂を広げてもらうと。毎回祭りが大きくなっていく理由なんて、そんなもんですし」

 前世でも有名な祭りって、テレビとかネットとかない時期でも、噂が広まってどんどんデカくなってるだけだからな。

 あー珍祭りとか作りたい。マグロ投げ祭りとか、嫁運びレースとか。けど、例の世界中から大注目されてる日本の祭りは、こっちじゃ出来ねぇだろうなー。


「まぁ、そんな理由です。祭りを増やすのは、そんな些細な事でいいんですよ。そして、各村で意見を出し合って、おもしろそうな祭りを二つ、島全体を巻き込んでやろうと思ってます」

「なんだよ、お前のことだから、もう決まってるのかと思ってたぜ」

「本当ですよ」

「いやいや、俺一人で色々決めてたら、後々不測の事態があった時に困るでしょう?」

「なんですか? 不測の事態とは?」

「この間、カームさんが俺に村長やっててと言って、数日逃げたんですよ……」

 三人に見られるが、全力で目を反らす。休み欲しかったんだもん、仕方ないじゃないか。

「まぁ、島中飛び回ってるし、色々な書類書いたり、雑務を魔法で片づけてるしな。俺だったら逃げるわ」

「まあ、確かに色々気にかけてくれてますし、多少は……」

「あれ? みんなカームさんの仲間? 俺はてっきりカームさんが村長やるのかと思ってたんですが」

 はっはっは、なにを言ってるんだ?俺はそんなめんどくさい事をしない為に、色々動いてるんだ。苦しいのは今だけだから!

「まぁ、魔王だから、村長達をまとめる相談役みたいなもんだし、俺達の出した意見通すのもコイツだろ?」

「はぁ?」

「ですね、勝手にはできませんからね」

「ちょっと? 皆何をいってるんですかねぇ? なんで俺にいちいち許可を求めるんですか」

「え? 一番偉いからでしょ?」

「そうっすか……」

 その後も、色々意見を出し合い、細かい報告や、色々生活して気がついた事とかを聞いて、打開策を出し合った。

 主に、恋仲だの妊娠だの新居だとか、色々あったが、故郷に四人ほどつれて帰った船乗りの一人が、魔族の嫁を作って戻ってきて、出産して新生児が産まれたのに、そう言えば何もしてやってない事を思いだし、盛大に自己嫌悪に陥った。


 朝食後に、各村から運ばれてくる油やら、カカオやらを運んでくる小舟で来てもらったので、昼食はおばちゃん達に頼んで、こっちで用意した。

「そろそろ昼ですね。この間、色々な場所で提供する弁当を、試験的に作りました。それをご婦人達に教えて作ってもらったので、今昼食を持ってきますね」

 そう言って少し席を外し、フィッシュアンドチップスと子供達に作ってやったサンドイッチを出し、飲み物も水で薄めた、クランベリージュースを出してみた。

 フィッシュアンドチップスが脂っこいから、酸味のある飲み物にしたが、サンドイッチはコーヒーでも良いかもしれない。

「これらを提供しつつ、島の名物料理にして、どこでも手軽に食べられるようにしたいと思ってるんですよ」

「うめぇな……まさかお前にこんな才能があったとは。本当に意外だ」

「……ですね。そして、この魚を揚げた物も。相変わらず美味い……我々の調理と何が違うんだ」

 前にコツだけは教えたんだけどな。どうも人族は、食べるのに精一杯だったから、味付けとかのスキルは、まだまだ低いみたいだ。ってかフッシュサンドとフィッシュアンドチップスを食べたのに、ソースの違いに突っ込みが無くて俺はがっかりだよ。そして、その日はお開きになり、十日後にもう一度集まってもらう事にした。



「第二回、各村代表者会議をはじめます」

 俺が宣言をして、早速皆の案を受け取ることにする。

「お前が言った通り、第三村は荒っぽい奴らが多いから、なんか体を動かすのがいいとか言ってたな。日々の恨みもある奴が多いから、殴り合いとかいいんじゃねぇか?」

「ルールを決めて、条件付きなら良いんじゃないんですかね? 問題ないと思いますよ? 兵士さんとか日々訓練してるように、日々鍛えて、その日の為に、披露するとかいいですね」

 ボクシングとかプロレスとか総合格闘技とか。

「第二村は、やっぱり流行り物のリバーシとかチェスが圧倒的に多かったですね」

「さすがに殴り合いと一緒に出来ないので、時期をずらすか、祭りと祭りの間に入れて、島全体で順位を競うのもありですね」

 チェスのグランドマスター同士の戦いとか、見てて頭痛くなってくるけどな。

「第一村は、大食いや酒飲み、馬鹿騒ぎできれば何でもいいって感じでしたね」

「大食いですか……。思ってる以上に過酷で、つらい競技ですが? 他の観光客も呼びやすそうですね、飛び入り参加も出来そうですし。ダラダラ食べるといくらでも入りますし、ボウルに穴を開けて水に沈んだら終了。そして食べた量で決める、いいと思いますよ」

 実際、大食い選手とかいたしな。

「フッシュアンドチップスを出しますか、水飲み放題で何皿食べられるか」

「……考えただけでも吐き気がするぜ」

「ですね、私には無理そうです」

「時間制限……あれを無理矢理口につっこむのか……」

 思ってたのと違うらしく、皆のテンションがかなり下がっている。

「とりあえず、もう少し詰めますか。大酒飲み大会は、必ずと言って良いほど、姐さんが出ますし、噂を聞きつけた、竜族や、ドワーフ達が押し寄せるので、普通に祭りの時にカップ一杯単位で売りましょう」

 メモ用紙を取り出し、話し合いを続けようと思ったら。

「カームさんの案を聞いてませんが?」

「え? 俺? 俺も案出すの?」

 全員がこっちを見ている、んー珍祭りをさりげなく混ぜるか。

「んー……。砂浜に寝ころんで、合図と共に起きて、五十歩くらい先に刺さってる旗を取り合うのとか。嫁運びレースとか。下着一枚になって、体中に油を塗って組み伏せる奴とか、四角い枠を書いて、真ん中に線を引いて、左右の組に分かれて、革を丸めて作った物を投げ合って、当たった退場とか」

「は?」「え?」「ん?」

「え?」

「油のは良いとして、嫁を運ぶって何だよ」

「そうですよ!」

「戦争に巻き込まれ、嫁が略奪されないように、担いで逃げたとかよくある話しですので、変な祭りも混ぜてもいいと思いまして……。飛び入り参加も許可して、見学に来てた方にも参加という感じで。そして障害物も作りましょう」

「旗のはなんか盛り上がりに欠けそうですね」

「あ、はい……」

 嫁運びレースとドッジボールは、なかったことにされてる。

「なんだかんだ言って、カームさんっていきなり振られると、奇抜な案を出しますよね」

 おい、可哀想な奴を見る目をするなよ。悲しくなるだろ。

 その後は、話をどんどん詰め、とりあえず次の季節が巡ってから、本格的に開催することになり。代表者会議も、何かあったら誰でも遠慮無く徴集できるようにしておいた。


珍祭りや、マイナースポーツやら、エクストリームスポーツを調べましたが。

世界は広いですね。

ペタンク、チュックボール、ヤールギュレシ、カラリパヤット、セパックアピ。

この辺りはちょっと気になりましたね。

トマト祭りは、食べ物を粗末にするなとか島民に言われそうですし、凶悪なトマトがいるので、出しませんでした。


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作者が書いている別作品です。


おっさんがゲーム中に異世界に行く話です。
強化外骨格を体に纏い、ライオットシールドを装備し、銃で色々倒していく話です。


FPSで盾使いのおっさんが異世界に迷い込んだら(案)

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