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第127話 今後の事を考えた時の事

適度に続けてます。

相変わらず不定期です。

 同日の昼過ぎ、ダラダラすると決めた俺は、一人酒場に行きカウンター席の一番奥の薄暗い場所で、紙と羽ペンを持ちながら、静かに蒸留酒を飲んでいる。

 確か蒸留して樽に詰めて無い、なんだったかな……ラム? ジン? ウオッカ? にグレープフルーツを混ぜればスクリュードライバーだったか? まぁカクテルの事は良くわからないし、それらしく島で出しても良いかなーと、今考えている。

 ウェルカムドリンクの様に酒にミントとライムでモヒート的な物を作りたいな、そうすると炭酸やジンジャエールも欲しいな。確か野草さんが生姜を見つけて栽培してたな。ミントは俺が植えて、その辺に自生してるし、偶に蜜蜂はもちろん、ハニービーさんがウロウロしてるし。

 ジンジャエールみたいな炭酸はないからジンジャービアで代用できるかな、確か砂糖と潰した生姜で発酵させたものだよな。それをモヒートに入れて、濃かったら水で薄めても良いな。

 氷系の魔法を使える誰かを雇用した方が良いかなー。水性系魔族の誰かが使えれば、一番早いんだけど、島の周りは常夏だから、氷を知ってるかが問題だ。

 そう思いながらも隅で一人酒を飲む。

「カーム君、悩み事かい?」

 眉間にしわを寄せ、考え事をしていたら、マスターが話しかけてきた。

「悩みではないですが、今後の領地の方針というかなんというか、飲みながらのんびり考えてます」

「そうか、君は皆と違って静かに飲むから面倒が無くていいよ。ただ昼間から酒は少し感心しないな」

「まあ、昼間じゃないと静かに飲めませんからね、家で飲んでもいんですが、やっぱり薄暗い雰囲気が落ち着きますし考えもまとまります」

「まぁ、そういう飲み方も有りだよね、けど昔からそうだけど、考えすぎて疲れないように。じゃ、何かあったら言ってね」

「はい、ありがとうございます」

 そう言いながらまた思考を巡らせる。

 なんか酒にレモンジュースとジンジャエールのレシピもあったな。

 炭酸が無いから、それなりの物で南国っぽいのを演出したいから、ジンジャービアとモヒートは鉄板だよな。

 後はお湯で割ってた奴もあったよな。グロッキーの元になった奴。酒は忘れたけど、レモンと砂糖とシナモンだったような。これもいけるな。

 ワインにオレンジジュースも簡単なカクテルだったな。ここで試しても良いけど、マスターには悪いし、島で試そうか。

 そもそも、何か二つを混ぜた時点でカクテルなんだから、島にあるクランベリーとか蜂蜜でも良い訳だよな……。まずは酒好きな島民に飲ませてみるか。

 俺は、少し口を湿らせるように酒を軽く口に含み、紙に『カクテル・試作する』と書き、次の事も考える。


 後は男女比率と、魔族だな。人族の割合が多いし男も多い。

 今度船長に頼み、魔族側の大陸に連れて行ってもらおうか。そこで島民を募集しよう。

 後は、貴族の船に乗ってた船長と船員だよな、コランダムに家族もいるみたいだから、アクアマリンを本拠地にして、コランダムで運営させるのもありか。

 船も造る必要があるし、一時的に返しても良いし、島につれてきても良いかもしれない。

 けど、家を持ってるとか、親がいるとかも聞いたから、前者の考えの方が面倒が少ないか。けど、どうしても船が必要になるな。

 そもそも船っていくらなんだ?

 あの有名な、ガレオン船とか必要無いしな。だってアレの運用人数って五百人近かった気がするな。今の島民より多いし、金も無い。

 むしろ、国営的な規模じゃないともてなさそうだし、そこまで物資運搬能力はまだ必要ない。あの時燃やさなければ良かったな。

 紙に『人口・男女比・船の値段』と書き、カップの酒を飲み干し、お代わりを頼み、カップに【丸氷】を落とし、次の事も考える。


 後は、この村で大工の修行させてた船員と、その奥さんだよな。もう良い感じでお腹が大きくなってきてるし、戸籍とかの管理も本格的にしていきたい。

 これはクラヴァッテの口利きで、誰かそう言うのに強い、将来有望そうなのを借りるような事を、前々から言ってるし、向こうもかまわないような事を言ってたから、この話も本格的に詰めていくか。

 そうすると、本格的な商店や宿の設営もしたいし、観光事業にも力を入れたいが。見る所はあまりないから、宿泊施設を充実させ、湾付近を整備させて、露店市みたいにさせたいな。そして保養地、糞忙しい奴にのんびりしてもらいたいね。

 そうなってくると、治安維持も必要になってくるな。自警団を置くのは当たり前だとして、個人個人での防衛も重視させて、ご近所さんのつながりも重視させて、簡単な武器の携帯も許可させたほうが良いか?

 スイスみたいに国民全員がある一定の戦力を持つような感じで。

「殺されたくなければ金を出しな!」

「おい、殺すって事は、もちろん殺される覚悟も出来てるんだろうな?」

 とか言いながらナイフを抜いて、気が付いたら周りの店員や、島民が刃物を出して応戦。かっこ良いな。

「おばちゃんが、ナイフっていうのは、こういう物のを言うんだよ」

 とか言いながら、マチェットとかダガーを出してもかっこいいな。

 とにかく、島民のモラルがものすごく高いのが条件だけどな。ある一定の条件だけ満たした島民だけに、武器の所持を許可するのもありか。

 メモに『戸籍管理・出産祝い・湾の整備・保養地・露店・武器携帯許可と自衛・自警団』と書き、冷えた酒を二口ほど飲み、続ける。


 そうすると、島の北側と西側の、カカオとコーヒーの自生地に住宅も増やしたいし、島の中央に有る山のふもと付近の整備も必要だな。

 島の比較的内側に三個ほど有る大きな湖も何かに利用したいな、淡水魚とか鴨とかに。

 けど、水質汚染が心配だから、海に近い、標高が低そうな所を探して、水を引いて人工湖にして、肉と羽毛も取りたいな。

 それと「アクアマリンと言ったらコレを食わなきゃ始まんねぇよ!」って料理は、もうフィッシュアンドチップスと、フィッシュバーガーで良い気がしてきた。露店で手軽に売れそうだし。

 他の飯が食いたいなら、食堂に入ればいいし、その辺で気楽に食べられる、スペースの確保も必要だな。

 そうすると、喫水の浅い船が停泊できる場所が、東を除く最低三ヶ所は欲しいな。防衛面を重視してたけど、やっぱり利便性が欲しくなる。魔法で地盤をせり上げて、簡易的な停泊所も必要だな。それとも丸太と板にした方が、壊しやすくて良いか?

 その辺は要相談か『島の内陸の整備と人工湖の作成・観光用のメイン料理・港の整備』も付け足す。


 そもそも、まだ商業用の船しか停泊しないから、荷卸しの時の船乗り用の店って事で、まだ酒場と娼館でもいいんだよな。そのついでに、フィッシュアンドチップスとかが売れればいいんだし。

 とりあえずそれが先か。まず娼婦と氷が出せる魔法使いが先で、その後に人族の女性の勧誘と魔族の勧誘。

 んー、面倒くさい。

「ほら、そうやってまた考え込んでる。眉間にしわが寄ってるよ」

 いきなり話しかけられ、多少驚いたが「あ、すんません」と言って残りの酒を飲み干し、インクが乾いてる事を確認し、紙をポケットにしまってからインク壷と羽ペンを返し、酒場を出る。

 大体の方針は決まったな。結局ダラダラしないで考え込んでたけど、たまにはこういうのも良いな。


 そして俺は森の方に向かい、ハニービーを訪ねる事にした。

「あ、どうも、去年の冬に何か必要な物とかありました?」

「いえ、特に問題無く過ごせてますし、花粉や蜜の備蓄も十分ですので平気です」

 ござる個体じゃなくて良かったわ。

「そうですか、それは良かったです」

「この付近は、小さいですが、花の種類も数も多いので助かります」

「えぇ、俺が多少手を入れてますからね、蜜蜂の方はどうですか?」

「お宅のミエル君が手伝ってくれているので、かなり助かっております。今ではだいぶ手馴れて来てますね」

「ほーそう言ってくれるなら、親としては嬉しいですね。本格的な冬が来る前に何か有れば言って下さい、出来る限りの事はしますので」

「ありがとうございます」

「あれー、カームじゃん、どうしたの?」

 差し障りの無いやり取りをしていたら、シュペックがやって来た。

「んー、冬に備えて、ハニービーさん達に何か不備が無いか聞いてたんだよ」

「あー、僕もそこまで気が付かなかったよ。春に元気に飛んでたから、問題無く冬を越せると思ってた、前回の冬も何かやってたの?」

「前回の冬は、何もしないで平気かどうか試す為に、断られたんだよ」

「はい、そう伺っています。ですので今年も大丈夫だと思います、最悪の場合は、寒い中、数名が犠牲になりながらカームさんのお宅まで失礼するかもしれません」

「怖い事言わないで下さいよ」

「蜂玉を作りながら飛び、最後の一匹が残れれば我々の勝ちです」

「いや、そうなる前に対策しないと」

「それは大丈夫って言わない気がするよ」

「ふふっ、我々の中では勝ちなのですよ」

「そうですか、何か有ればミエルに言ってくれれば、最悪俺まで話が来ますので遠慮なく頼ってください」

「お気遣いありがとうございます。では失礼しますね」

 そう言うと、木の虚の中では無く、森の方に飛んで行ってしまった。ギリギリまで蜜を集めるんだろうか? 秋の暖かい日は飛んでるのを見かけた事が有るから、多分それだろう。

「で、カームはいつ戻って来たんだい?」

「昨日の昼前に」

 そんな会話をしながら、村の方に向かって歩き出す。

「言ってくれれば良かったのに」

「すごく疲れてたからね、昨日も今日も子供達の稽古をサボった」

「そしてお酒を、昼間から飲んでたって訳だね、お酒臭いよ」

「否定できない」

「強くて酔わないのに、一人で飲む意味あるの?」

「少し考え事をね、薄暗くて静かな所で一人。かなり良いよ」

 そう言って、ポケットに入れたメモ用紙を見せる。

「箇条書きで要点しかないけど、僕にでもわかるよ。またなんか難しい事を考えてたって」

「難しくは無いよ、任された島の今後の方針だよ」

「酒とか戸籍管理とか自警団とか、考えただけでも頭が痛いよ」

「まぁ、案だから、これから意見交換と擦り合わせだから、忙しいのはこれから。しかも結果が出せそうなのは、季節が何回か廻ったらかなー」

「そんな先の事まで考えてるの? カームはやっぱり頭おかしいよ! ほんとは酔ってるんでしょ!?」

 失礼なワンコだな。

「いやいや、昔からこうだろ? いまさら何言ってんだよ」

 笑いながら肩を叩き、いつも通り、俺がいなかった時の話題をしながら帰った。


「悪いんだけど、ヴルスト達と飲んで来るわ」

「はーい、いってらっしゃーい」

「ん。潰さない様に」

「はいはい」

 そんなやり取りをして、酒場に向かうと、すでに三人が座っていた。

「おせーぞ」

「わりぃなー、少し遅れたみたいだ。マスター、昼間と同じの」

「え? 昼間も飲んでたの? それよりシュペックから聞いたけど、また小難しい事考えてるんだって?」

「んーまぁねぇ、多少は先の事も考えないと駄目な時期になって来てるからねー。ほんとうどうしようか迷ってるんだよね」

「メモとか取ってたじゃん、あれ全部やるの?」

「んだよ見せてみろよ」

 ヴルストにせがまれ、メモを渡すと、

「相変わらずめんどくせぇ事考えてんだなー。なんだよこの自衛とか保養地とか、理解出来ねぇぞ」

「俺の領地でしか出来ない事を考えてた、何といっても金になる物も作らないと島が潤わない」

「この村の蒸留小屋みたいないもんか」

「そーそー。まぁ島にも蒸留小屋作ったけどなー。そしたら校長のお姉さんがやって来て、物凄く気に入っちゃってね。そのまま居付いてる」

「酒好きの種族はどこにでも現れるね」

「まぁな。それをこの間校長に話して、島で姉弟で飲み会。季節が百回以上廻るくらい会ってなかったって、言ってたな」

「校長って何歳なの?」

「わかんないよ」

「で、まだ村で見かけてないけど?」

「「「酒飲み旅行」」」

「あ、はい」

「もう校長は、他の人に任せればいいのに」

「なんとなくその方が良い気がする」

「この原因作ったのカームだよ?」

「んー、否定できない。けど酒を広めたのは校長だろー? 俺だけが悪いって事は無いよ」

「んーけどなぁ……」

「年越祭には、帰って来るって言ってたから、いんじゃないか? 蒸留小屋も校長がいないから、見張る必要ないし」

「あー、そんな利点があるのか」

「そうそう、なんだかんだ言って試飲するし、厳重に管理したいって言うのに」

「そいつは困りもんだな」

「おいおい人事みたいに言ってくれるなー」

「俺は、校長の姉に三十日に一回樽半分の酒渡して、友好関係結んでる。何か有れば島を守ってくれるし。そう考えれば、竜族には少し恩を売っておいた方が良いぞ」

「いや、蒸留の仕方を教えた時点で、かなりの恩を売ってるぞ? それに商人も増えたし、追いつかねぇよ」

「嬉しい悲鳴って事にしておけ、その点じゃ、ヴルストも俺も忙しいって意味じゃあまり変わんねぇよ」

「そうだよなー」

「僕達はー?」

「村の安全を守ってる、物凄く偉い奴じゃないか」

「やったー」

「いや、シュペック。少しだけ違う気がするぞ?」

 そんなどうでも良い会話をしつつマッタリ飲み。俺は三人を介抱する事なく、家に帰り。風呂に入ってたら、スズランとラッテが乱入してきて、湯船で三人でのんびりした。

主に今後の方針でした。


感想で、読者様からご指摘がありましたが、ガレオン船での運用人数が500人近かった気がするとなっておりますが、あまり詳しくないから「500人「近かった気がする」としております。

勘違いをさせてしまい申し訳りませんでした。

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作者が書いている別作品です。


おっさんがゲーム中に異世界に行く話です。
強化外骨格を体に纏い、ライオットシールドを装備し、銃で色々倒していく話です。


FPSで盾使いのおっさんが異世界に迷い込んだら(案)

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