表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この異世界は悪意しかない!  作者: 浅見青松
第5章 アルージ国編
158/161

24


ビョウブを最初に見つけたのはノモンだった。


姿の見えないビョウブを探して湖へ向かったノモンはその光景を目にし、激しく咆哮(ほうこう)した。


「うおおおおおおぁぁぁ!!」




ノモンは真っ赤に染まったビョウブを抱え、とぼとぼと町へと戻った。


その姿に人々は言葉を呑んだ。


誰も声を掛けられず、集まった人々が道を開け、その村人のアーチの中央をノモンは歩いていった。

その姿に人々は、口を押さえ、目を背けた。



ノモンがやって来た時、ヨキはその場にへたり込んだ。ノモンの手に抱える絶望がヨキの視界を真っ暗にした。


「な、なぜ……」


先ほどまで楽しく喋っていた相手。親しい間柄。信頼を寄せていた仲間。


味方の国にいることで安心していた。こんなことがここで起こるなんて思いもしなかった。油断していた。


「い、いったい何が……?」


ノモンは動かすのも(つら)そうに首を振った。


「分からねぇ……。オレが見つけた時には一面、血の海だった……」


「血の海……」


ノモンは激しく顔を歪ませた。


「ちくしょう!! いったい誰がこんなこと!」



迫り来る喪失感と共に、ヨキの目の前に突然、映像が浮かんだ。




血の海……。


倒れる者……。


動けない……。



ちくしょう!


ちくしょう!


ちくしょう!!





切り抜いたフィルムが断片的に頭に(よぎ)り、(まばゆ)い光を目の前で放った。


たくさんの情報がヨキの頭に一気に入り込み、脳を小突くように叩いてゆく。


煙のように浮かんでは消えてゆく記憶の欠片(かけら)


それらがヨキに何かを訴え続ける。


その衝撃の応酬にヨキは頭を押さえた。


「ううう……」


激しい頭痛がヨキを襲った。



そしてふっと意識が遠のき、ヨキはその場で前のめりに倒れ込んだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ