20
体勢を整えるためにヨキ達はドラゴン族のディーカイト・カゲ国へと一旦戻った。
ドラゴン族はヨキ達の凱旋を歓迎して労をねぎらってくれた。
「大丈夫だったか?」
ヨキが尋ねると、フジナミは剣を掲げて誇らしげに頷いた。
「はい、ヨキ様のお力とイデヨ様の遺志の賜物です」
ホイホイの切羽詰まった発信に危惧が募ったが、ヨキが思うほど案じるほどではなかったようである。
怪我人はいたが、ホイホイが治せる程度の少人数であったし、国内に混乱は残っていない。
「せっかくの再建を早々壊されては堪りませんから」
町並みへの被害も最小限で、国民は変わらず前向きに復興に勤しんでいた。
攻め込んできた亜人やタヌキ・キツネ族も介抱されて復興を手伝っている。
彼らになぜ攻め込んできたかを尋ねても、上からの命令である以上の理由がなく、彼らは何も聞かされていなかった。子供も多く、何も知らずに参加させられただけの者ばかりだ。
レイチョウのことも詳しく知る者はいない。
なぜ三国を一斉に攻めてきたのか。確実な勝算があったのか。
どうもヨキにはそうは思えなかった。
単なる威嚇なのだろうか。その割には手が込んでいる。
ヨキは腑に落ちない状況に頭を悩ませていた。
ヨキ達のために豪勢な夕食が振る舞われ、町の者も侵略者を退けた喜びも相まって、お祭り騒ぎとなっていた。
自分達は強い、負けるわけがない。
そう確信して疑わなかった。
ヨキ達は何も成し遂げた感触がないままの帰国で、祝われることに抵抗があったが、町の者が賑わっているので、それに合わせて楽しんでいた。
トリ族の掛け合いに笑い、ブタ族の腹踊りに拍手を送る。異なる種族同士で肩を組み合い、酒を酌み交わす。
ヨキ達が望む平和な世界の縮図のようだった。
宴会は夜遅くまで続いていた。




