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ヨキ達はホイホイから戦況の報告を受け取った。被害は最少に抑えられ、襲撃を受けきったようだ。
勝算はあり、信頼はしていたものの、実際の報告を聞いてヨキは胸を撫で下ろした。
「あっちもタヌキ、キツネ族がかなりたくさん混じってたみたいね」
「タヌキ、キツネ、増量中か」
「亜人の中には魔法使いがいなかったようね」
ビョウブは思考を巡らせた。
「それは魔法で制圧するつもりがなかったってことか?」
「それもあるけど、我々に魔法が効かないということを分かっているってことね」
ヨキ達は目から鱗といった様子で感心した。
毎度のことながらビョウブの冷静で鋭い考察に驚かされる。
「だからこそレイチョウはまともに私たちと戦わなかったと言えるわ」
「我々を恐れてる、ってことかな」
「そりゃそうよ。魔法で天下を取ったのに、それが一切無効されるなんて青天の霹靂の大事件だもの。
そして自分がやられたら完全に悪意の世界は終わる。相当に危機感を抱いているはずよ」
ビョウブはヨキに提案した。
「一度戻ったほうがいいんじゃない? 亜人からの情報を得るためにも」
ヨキは振り返った。
「みんなはどう思う?」
カナは賛同した。
「そうだね、体勢を立て直すほうがいいね」
ブヒゾウとブヒタロウも賛同した。
「闇雲に探すのは大変かと」
「急がば回れでげす」
「そうだな、ケージもそれでいいか?」
ケージは髪の毛を人差し指で巻いた。
「いいよぉ。でも、帰れるかなぁ」
「えっ?」
宮殿が突如、激しく揺れ出した。
出入り口から大量の亜人が入り込んできた。




