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この異世界は悪意しかない!  作者: 浅見青松
第5章 アルージ国編
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15


自らの国を死守していたヨキ軍の戦士たちは、ひっきりなしに攻め込むアルージ国の猛撃に追われた。


しかしさすがは善意の剣と言ったところで、触れれば相手が倒れる力は絶大だった。


剣を振るう者が剣士であれば尚更(なおさら)、流れるような殺陣(たて)(さば)きで自らの勢いを緩めずに相手を倒してゆく。


ドラゴン族たちは既に亜人の猛進を食い止め終わっていた。


「なんと圧倒的な剣の能力。これならば魔法を使う亜人にも負ける要素がない」


フジナミは剣を眺め、その光沢を瞳に映した。


「加えてイデヨ様の御加護もある。磐石(ばんじゃく)とはこのことか」


フジナミは地面を埋め尽くすほどに倒れた亜人に目をやった。


「それにしても……これはいったい……」




サントーリオはトリ族と共に倒れた亜人を介抱していた。

空を飛ぶ有利性を活かし、こちらも戦闘は今しがた終えた。


ブヒノスケ達にとっては慣れない戦いであったが、トリ族たちの戦いぶりの見よう見まねで懸命に応戦した。

何よりブヒゾウ、ブヒタロウの名を聞いてから、自分達も負けていられないと奮起したのであった。


戦いを終え、サントーリオは(くちばし)毛繕(けづくろ)いを始めた。


「我々も強くなったものだ」

サントーリオはしみじみと(つぶや)いた。


「まぁ、ほぼ善意の剣の力ですけど」と兵が遠慮なく(いさ)める。


「そんな言い方だと私が無能みたいじゃないか。しかしまぁ、これは……」


サントーリオは倒れている者を眺めた。

「驚き過ぎて羽根がごっそり抜けちゃったぞ」


兵が軽く突っ込んだ。

「いえ、単なる生え変わりの時期です」




ネコ族ノモンは太い腕をくるくると回した。


「なんでぇ、骨のない奴らだ」


こちらもようやく戦いは終えたようだ。他の国より応戦の人数が少なかったが、悪意トラのノモンの怪力と、ミャーサ率いるネコ族の素早さは亜人を圧倒した。


襲撃した亜人をノモンは肩に担いで運んでゆく。


「しっかし、なんだこりゃ。亜人の中にタヌキ族とキツネ族が(まぎ)れてやがるな」


「なんか、ごちゃまぜだミャ。というか、タヌキとキツネのほうが多いミャ」


「おまけに亜人の魔法使いもいやしねぇ。しかも子供が多いな」


「こちらの兵力を削ってから、本番の襲撃をする気かミャ」


ノモンは鼻を親指で弾いた。


「へん、小細工しやがって。いつでも第二陣、三陣と襲ってきやがれ」


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