表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この異世界は悪意しかない!  作者: 浅見青松
第5章 アルージ国編
146/161

12


町を通り抜け、その先へと続く大通りの先にひときわ大きな建物が見える。


「あれが宮殿か?」


ヨキが尋ねると、ビョウブは(うなず)いた。


「そうよ」


巨大な敷地の中央に高く(そび)える絢爛(けんらん)豪華な建物、白い壁に黄金が(ちりば)められ、両端に尖塔(せんとう)が繋がっている。


ヨキ達は茂みに隠れて様子を(うかが)った。


周囲は見回りの者が数多く見受けられ、厳重な警備が敷かれている。


「さて、どうするか」


そう(つぶ)いたものの、取るべき行動は皆も分かっていた。


「正面突破しかないわね」

「突き進むのみでしょう」

「ここまで来たら前進あるのみ」


ヨキは皆のその言葉に背中を押された。


「よし、行こう!」


ヨキ達は茂みから飛び出し、宮殿の表門へと駆け出した。


ヨキ達には恐れるものはなかった。

法衣を(まと)った軍団に出会おうとも、剣を(たずさ)えた兵士がいようとも、やるべきことは変わらない。

彼らに善意の力を当てるだけである。


並みいる者達を勢い緩めず、一直線にばたばたと倒してゆく。


想像通り、その者達は魔法使いだろうと兵士だろうと、正体はタヌキ・キツネ族であった。


「宮殿付近も亜人がいないとは」


「まさか全員侵攻に参加しているのか?」



宮殿内へヨキ達は一気に進んでいった。迷路のように入り組んでいるが、ビョウブが先導することで迷わずに進んでいける。


王直属の兵たちが重厚な(よろい)を身に付け、サーベルを手に待ち構えていた。その者達をヨキ達は善意で()ぎ倒した。

その兵達は倒れ、元の姿に戻った。


「亜人だ!」


この国に来て、ようやく本物の亜人に出会った。それが一行にはなぜだがホッとする嬉しさがあった。


「さすがに宮殿内は亜人のようだな」


本物の亜人であろうとなかろうと、ヨキ達を止めることは出来ない。建物内なら特にまとめて魔法が当てやすく、亜人兵はヨキ達に指一本触れることすら出来ない。




そして遂に宮殿の奥、真紅の絨毯(じゅうたん)が伸びた先の重々しい扉へと辿り着いた。


ビョウブはヨキに向かって黙って頷いた。


ヨキを先頭にその厚い扉を開ける。

扉は音もなく開いた。


円形に広がる空間の奥手には弧を描いた(だん)が幾重にも連なり、その高い(いただき)に玉座が(まつ)られている。


そこにどっしりと鎮座(ちんざ)している者は、(ひじ)掛けに両手をだらりと乗せ、まるで来るのを予期していたかのようにヨキ達を見下ろしていた。


「レイチョウ……」


ビョウブが静かに(つぶや)いた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ