7
倒れている者は茶色い毛並みと縞模様の尻尾、又は金色の毛並みと先の白い長い尻尾をしていた。
「これは……」
ヨキの呟きにビョウブは冷静に答えた。
「タヌキ族とキツネ族ね」
「それって……」
「隣の国、バッカス国の者たちよ。他人に変化する能力を持ってるわ」
亜人の国アルージ国の隣に位置するバッカス国。亜人とは争いが起きておらず膠着状態だと聞いた。
「なぜバッカスの者が亜人の姿に化けてるんだ?」
「さぁ……」とビョウブですら首を傾げた。
「元々アルージ国にはタヌキ族キツネ族はいるのか?」
「どうかしら……。わたしがここにいた頃には既に変わっていたのかしら? だとしてもこの者たちのように見分けは全くつかないわ」
ビョウブの話では、亜人を偽ることによって亜人の恩恵を得ようとする者ではないか、ということだった。
この世界は亜人が支配している。そのため亜人になりすまして暮らし、甘い汁を吸う者、また亜人の魔の手から逃れようとする者がいるのではないか。
いずれにせよ、亜人でいるほうが得であると判断してのことであろう。
「とにかく、亜人であろうとなかろうと、いずれは全種族を解放するんだ。あまり深く考える必要はない」
ヨキ達は気を取り直し、彼らを木陰に休ませて先を急いだ。
けれどヨキはその先で更に戸惑うことになる。
それは、出会った亜人を何十人と解放していったが、その者たちは悉くタヌキ・キツネ族だったからである。




