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アルージ国へと向かうにあたって、ヨキはビョウブ達と共に作戦を練っていた。
ヨキ達が現時点で滞在しているディーカイト・カゲ国の北側にアルージ国がある。その他の国も地続きで繋がっていて、ひとかたまりの大陸が海の中央にドカンと居座っているような地形だ。
この異世界の地図を初めて見せてもらった時に何も違和感を覚えていなかったが、ヨキは机に広げられたそれを見つめ、首を捻った。
「9つの国がこうして固まっているんだな」
「それがどうかした?」とビョウブは不思議そうに尋ねた。
「いや、僕は最初、この地図を見た時にこの地域だけを拡大されたものだと思ってたんだ。世界ってこれで全部なのか?」
「全部も何も、これが世界地図よ」
「いや、海の向こうに他の国があるとか」
「あるわけないでしょ」
「それは確定なのか?」
「勿論でございますとも」とサントーリオが割って入った。
「この世界地図を作成したのは、何を隠そうトリ族なのです。タカ型のイノーダという偉いお方がお一人で作ったとされていて、とても正確に記されているのですぞ」
「では海の向こうは何もない?」
「海の向こうは海しかないわ」とビョウブは即答した。
「じゃあ、ぐるっと回ってこの大陸に辿り着くだけなのか」
「ぐるっと回る? 旋回するってこと?」
「いや、一周したら」
「一周? どうやって?」
ヨキはここで言葉を呑んだ。
ここには宇宙という概念がないということは以前知った。つまり惑星という存在もないのか。
つまり……
この世界は、平べったい。
お盆のような平らな世界があって、巨大なヘビの上に大きなカメが乗り、そのカメの上に乗るゾウがそのお盆を支えているような世界。
「随分と原始的な世界だな……」
まるでそれは、敢えてこの世界が単純に作られているようにヨキには思えるのだった。




