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この異世界は悪意しかない!  作者: 浅見青松
第4章 ディーカイト・カゲ国編
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一同は思いがけない事態に驚愕(きょうがく)した。ドラゴン族からは絶叫にも似た悲痛な声が上がった。


「イデヨ様が!?」

「そんな!」


一瞬、皆の目がホイホイに向けられた。


「ぼ、僕たんじゃないよ!」


ヨキは(はな)から疑ってはいなかったので、ホイホイに視線を注ぐことなく考え込んだ。


「誰も入れないはずの部屋で死んでいた……。ミステリーか?」


ネコ族はお手上げといったように手を広げた。


「詳しいことは分からニャいが、施設周辺は大混乱ニャ」


ヨキは頭を悩ませた。


「いったい何があったんだ?」


ビョウブは事の重大さに考えを(めぐ)らせた。


「イデヨが死んでいるとなると……つまり……」


皆は考えたくない現実を口にするのを(はばか)った。

ヨキはそれを受け止め、皆に突きつけた。


「ドラゴン族を治すには、30万を相手にしなくてはならない、ということだ」


一同は消沈して言葉を失った。15万人相手でも熾烈(しれつ)だった戦いを、その倍の相手と繰り広げなければならない。

過酷であることは想像に(かた)くない。


「とにかく詳しい情報が知りたい。ホイホイ、さっき使った能力でドラゴン族とコンタクトを取れるか?」


ホイホイは頼られたことに気分を良くした。


「オレの力が必要か。ふははは、仕方のない奴だ。ただ、そうしたいのは山々だが、あれは送ることは出来ても、受信は出来んのだ、ふははは」


「そこ、笑うとこじゃない!」


「ご、ごめん……」

ホイホイは素で謝った。


「ではとにかく3人は潜入し、情報を得てくれ。その情報は我々に送れるな?」


「それなら造作ないことだ。任せとけ」

ホイホイは自信を取り戻した。


「こちらから指示は出せない。情報を送ったら速やかにここへ戻ってくるんだ。手出ししてはならないぞ」


3人は了解した。そして足早に施設を目指して走っていった。



ヨキはどっかりと疲弊した腰を下ろしてビョウブに尋ねた。


「他の国がドラゴン族を攻めたのかな」


ビョウブは(おもむろ)(うなず)いた。


「それもあり得るわね。ただ閉じ()もったイデヨをわざわざ狙うなんてこと、我々以外にするかしら?」


確かに他国にはイデヨだけを狙うメリットがない。


「他の隣接している国は他にどういう所だ?」


「我々と反対側、つまり北側に位置する国は2つ。キツネ族とタヌキ族の統治するバッカス国と、もうひとつは、アルージ国」


ビョウブは目を()えて強調した。


「我が亜人の国よ」


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