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ヨキ達は集まって作戦を練った。イデヨの居場所は確定している。あとはどう攻め立てるかだ。
「ドラゴン族はまだ多くいるだろうか?」
カメレオン型のドラゴン族スーケルはそれに答えた。彼も悪意が抜け、仲間となっている。大きい目と長い舌が特徴的だ。
「まだ国内に30万ほどいるでしょう」
「30万か。まだまだたくさんいるんだな」
「侵攻するんですか?」
ブヒゾウはヨキに尋ねた。
「いや、いくら15万のドラゴン族が味方についたといっても、剣が3,000本しかない限り、結局また数の差に苦労することになる。
みんなも戦い終えたばかりで疲労している。今からの侵攻はさすがに無謀だろう。隠れている場所は確定した。ここはやはり、イデヨ一点狙いだ」
「少数で潜入ですか。まぁ、我々の得意分野ですしね」
と、サントーリオがクワワワと笑う。
「こそこそするのが得意みたいに言うんじゃない! ぞろぞろ行くのは得策ではないだけだ」
「おっと失礼」
「ではどうするんですか?」とブヒゾウ。
「うむ、せっかく擬態できる者が2人いるんだ。この手を使わない手はない」
「ではスーケルとブヒタロウが?」
「オイラ? ふっ、またオイラの出番か」
ブヒタロウはニヤリと口角を上げた。
「しかしどうやって冬眠部屋から出すんですか?」
「そこだな」
「決めてないんですか?」
「決めてない」
ヨキはきっぱり言った。
「それじゃ姿を隠しても意味ないんじゃ……」
「そこは要相談だな。スーケル、鍵は内側から掛けられているんだな?」
「そうですね、イデヨ様は神経質なタイプでして」
「大きい竜が神経質なのかよ。何か通気孔のようなものはあるか?」
「あります。が、格子になっていますので侵入は難しいでしょう」
「だとするなら、そこから善意を含んだ魔法を放つというのはどうだろう?」
「おお、なかなか姑息な手ですね!」
サントーリオは思わず漏らした。
「おい、聞こえてるぞ! いちいち嘴を突っ込むんじゃない!」
「おっと失礼」
「そう言うなら、じゃあ、他に手立てはあるのか?」
一同は何も答えられなかった。
ヨキは腕を組んだ。
「地味でいいんだよ。我々は侵略者ではない。戦略家であるべきなのだ」
おお、と一同が納得した。
ヨキはまた大人びた発言をしてしまって顔を赤らめた。
「で、他の者はどうするんですか?」
尋ねられてヨキは咳払いをして、気持ちを切り替えた。
「この国を守りつつ、ホイホイの作戦を採用しよう」
「つまり……?」
「陽動だ」
ヨキは皆に向かって説明する。
「30万人もいれば、冬眠施設の周りも大勢いるだろうし、そこへ侵入するのは難しいだろう。
そこで我々の味方となった15万のドラゴン族だ。彼らには戦わず誘き寄せ、30万人を攪乱してほしい」
「それで2人がこっそり冬眠施設に近づくのですね」
「そうだ。そしてもうひとり、一緒に行ってもらう者がいる」
ヨキは魔法石を投げた。
それを受け取ったのはホイホイであった。




