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この異世界は悪意しかない!  作者: 浅見青松
第4章 ディーカイト・カゲ国編
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ヨキ達は集まって作戦を練った。イデヨの居場所は確定している。あとはどう攻め立てるかだ。


「ドラゴン族はまだ多くいるだろうか?」


カメレオン型のドラゴン族スーケルはそれに答えた。彼も悪意が抜け、仲間となっている。大きい目と長い舌が特徴的だ。


「まだ国内に30万ほどいるでしょう」


「30万か。まだまだたくさんいるんだな」


「侵攻するんですか?」

ブヒゾウはヨキに尋ねた。


「いや、いくら15万のドラゴン族が味方についたといっても、剣が3,000本しかない限り、結局また数の差に苦労することになる。


みんなも戦い終えたばかりで疲労している。今からの侵攻はさすがに無謀だろう。隠れている場所は確定した。ここはやはり、イデヨ一点狙いだ」


「少数で潜入ですか。まぁ、我々の得意分野ですしね」

と、サントーリオがクワワワと笑う。


「こそこそするのが得意みたいに言うんじゃない! ぞろぞろ行くのは得策ではないだけだ」


「おっと失礼」


「ではどうするんですか?」とブヒゾウ。


「うむ、せっかく擬態できる者が2人いるんだ。この手を使わない手はない」


「ではスーケルとブヒタロウが?」


「オイラ? ふっ、またオイラの出番か」

ブヒタロウはニヤリと口角を上げた。


「しかしどうやって冬眠部屋から出すんですか?」


「そこだな」


「決めてないんですか?」


「決めてない」

ヨキはきっぱり言った。


「それじゃ姿を隠しても意味ないんじゃ……」


「そこは要相談だな。スーケル、鍵は内側から掛けられているんだな?」


「そうですね、イデヨ様は神経質なタイプでして」


「大きい竜が神経質なのかよ。何か通気孔のようなものはあるか?」


「あります。が、格子になっていますので侵入は難しいでしょう」


「だとするなら、そこから善意を含んだ魔法を放つというのはどうだろう?」


「おお、なかなか姑息な手ですね!」

サントーリオは思わず漏らした。


「おい、聞こえてるぞ! いちいち(くちばし)を突っ込むんじゃない!」


「おっと失礼」


「そう言うなら、じゃあ、他に手立てはあるのか?」


一同は何も答えられなかった。

ヨキは腕を組んだ。


「地味でいいんだよ。我々は侵略者ではない。戦略家であるべきなのだ」


おお、と一同が納得した。

ヨキはまた大人びた発言をしてしまって顔を赤らめた。


「で、他の者はどうするんですか?」


尋ねられてヨキは咳払いをして、気持ちを切り替えた。


「この国を守りつつ、ホイホイの作戦を採用しよう」


「つまり……?」


「陽動だ」




ヨキは皆に向かって説明する。


「30万人もいれば、冬眠施設の周りも大勢いるだろうし、そこへ侵入するのは難しいだろう。


そこで我々の味方となった15万のドラゴン族だ。彼らには戦わず(おび)き寄せ、30万人を攪乱(かくらん)してほしい」


「それで2人がこっそり冬眠施設に近づくのですね」


「そうだ。そしてもうひとり、一緒に行ってもらう者がいる」


ヨキは魔法石を投げた。


それを受け取ったのはホイホイであった。


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