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この異世界は悪意しかない!  作者: 浅見青松
第4章 ディーカイト・カゲ国編
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ヨキ達はぞろぞろと国境付近へと戻っていった。休んでいたブヒゾウやカナが迎えた。

クックルとサントーリオが笑顔で歩いている。


「お疲れ様です! 救えたんですね」


ヨキは(うなず)いて答えた。


「僕は何もしていないけど」


ビョウブの(そば)には丸々と太った男とドラゴン族がいた。


「あれが声の主ですか」


ブヒゾウやカナやトリ族が一斉にその男を注視した。

ホイホイは熱い視線に気圧(けお)されてビョウブの背中に隠れた。


「大丈夫よ、みんな恨んじゃいないから」


ホイホイはおどおどしながら、それでもビョウブの陰に丸い体を隠した。




ヨキはホイホイの目覚めた時を思い出した。

ホイホイは(まぶた)を開いてヨキ達を見た瞬間、慌てて逃げようとした。


その手を掴むビョウブ。


「ゆ、許してください! ひぃぃ!」


「そんな怯えないでよ。大丈夫だから」


「い、いじめないで下さい」


「しないわよ、そんなこと」


いつものことだが、悪意の取れた時のギャップにヨキは戸惑う。

先程まで(したた)かで、図太くずる賢そうな印象があったが、今はやたらと気弱そうだ。

体は多少小さくなったが、丸い体は健在のままだった。


ヨキも(そば)へ寄って手を差しのべた。


「これからは仲間として、一緒に平和を目指してほしい」


ホイホイは小さい目を忙しなくあちこちへ動かしなから、たまにヨキへと目を合わせた。


「お、怒ってない?」


「怒ってないよ。みんな悪意に侵されたら制御できなくなるんだ」


「で、でも……僕たん」


「僕たん!?」


自信に満ち(あふ)れた俺様キャラはどこへ行った?


「僕たんがバック君をあんな目に遭わせてしまった……。ムシ族もドラゴン族も……」


「まぁ、それに関しては『仕方ない』で済ませられないけど、でもだからといって、君を責めることはしないよ」


「……………」


「それは時間を掛けてでも償って、供養はすべきだと思う」


「…………うん」


「協力してくれないか?」


ホイホイは長考したのち、ゆっくりと首肯した。


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