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ヨキ達はぞろぞろと国境付近へと戻っていった。休んでいたブヒゾウやカナが迎えた。
クックルとサントーリオが笑顔で歩いている。
「お疲れ様です! 救えたんですね」
ヨキは頷いて答えた。
「僕は何もしていないけど」
ビョウブの傍には丸々と太った男とドラゴン族がいた。
「あれが声の主ですか」
ブヒゾウやカナやトリ族が一斉にその男を注視した。
ホイホイは熱い視線に気圧されてビョウブの背中に隠れた。
「大丈夫よ、みんな恨んじゃいないから」
ホイホイはおどおどしながら、それでもビョウブの陰に丸い体を隠した。
ヨキはホイホイの目覚めた時を思い出した。
ホイホイは瞼を開いてヨキ達を見た瞬間、慌てて逃げようとした。
その手を掴むビョウブ。
「ゆ、許してください! ひぃぃ!」
「そんな怯えないでよ。大丈夫だから」
「い、いじめないで下さい」
「しないわよ、そんなこと」
いつものことだが、悪意の取れた時のギャップにヨキは戸惑う。
先程まで強かで、図太くずる賢そうな印象があったが、今はやたらと気弱そうだ。
体は多少小さくなったが、丸い体は健在のままだった。
ヨキも傍へ寄って手を差しのべた。
「これからは仲間として、一緒に平和を目指してほしい」
ホイホイは小さい目を忙しなくあちこちへ動かしなから、たまにヨキへと目を合わせた。
「お、怒ってない?」
「怒ってないよ。みんな悪意に侵されたら制御できなくなるんだ」
「で、でも……僕たん」
「僕たん!?」
自信に満ち溢れた俺様キャラはどこへ行った?
「僕たんがバック君をあんな目に遭わせてしまった……。ムシ族もドラゴン族も……」
「まぁ、それに関しては『仕方ない』で済ませられないけど、でもだからといって、君を責めることはしないよ」
「……………」
「それは時間を掛けてでも償って、供養はすべきだと思う」
「…………うん」
「協力してくれないか?」
ホイホイは長考したのち、ゆっくりと首肯した。




