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「ふぅ、何とか倒せたわ」
ビョウブは深く息を吐いて、倒れているホイホイを眺めた。悪意のオーラが全身から消えている。
「頭が良いと大変ね。常に他人にそう思われようと動かなくちゃいけない。だから最善手を出さなければならないという強迫観念にいつも駆られている。それがあんたの敗着手よ」
クックルは浮いていた体を地上に戻し、サントーリオの元へ駆けつけて抱きついた。
「クックル様!」
サントーリオは幼き王を抱きしめた。
凛と構えていたが、やはり恐かったようで、クックル王も震えた手でサントーリオをきつく抱きしめた。いくら現国王だとしても、まだ幼い子供なのである。
無事であったクックルの姿に安堵しているヨキ達の元へビョウブが歩み寄った。
「強いじゃないか、ビョウブ」
ビョウブは口を手で押さえながら笑った。
「必死だったわよ、太らされたくなくて」
「そんなにイヤなのか?」
「そりゃ、イヤよ! 美しくないわ!」
「でも可愛らしさが増すかもしれないぞ?」
「そうでげすよ、ぽっちゃりはそんなに悪くないでげす」
「そうだよ。………………ん?」
ヨキとビョウブは互いを見合い、言葉を一瞬失った。
「今、ブヒタロウみたいな声しなかったか?」
「したわ」
「何言ってるでげすか。オイラの声でげすよ」
「ほら、聞こえる!」
「聞こえるわ!」
「ヨキ様! オイラでげすよ!」
ヨキとビョウブは辺りを見回した。
「えっ、なんだ!?」
「ここでげすよ!」
そう言われても2人には見えなかった。
が、2人の横に肌色の物体が2つ、視線の空間に揺れていた。
「なんだこれ?」
ヨキがそれを掴んだ。
「いたたた! ヨキ様! ひどいでげすよ、オイラの耳をつねるなんて!」
「えっ?」
手を放すとその肌色の物体がピョコピョコと縦に揺れた。
「オイラでげすよ!」
ヨキは肌色の物体から下の部分に手を伸ばすと、そこには何かぷよぷよした感触があった。
「く、くすぐったいでげす!」
「ブヒタロウ!?」




