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この異世界は悪意しかない!  作者: 浅見青松
第4章 ディーカイト・カゲ国編
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ホイホイは自分の優勢を確信してほくそ笑んだ。

ビョウブは頭を振り、ため息をついた。


「あんたは知的で強敵だということが分かったわ」


ホイホイは眉をぴくりと動かした。


「こんな手を使わなくても、その頭脳なら普通に私たちに勝てたんじゃないかしら」


ホイホイは込み上げる感情を必死で(こら)えようとしていた。


「……そうかもしれないな」


「だったら一度、正々堂々と戦ってみない?」


「なに!?」


ホイホイはビョウブの提案を(いぶか)しんだ。


「何を企んでいる?」


「別に企んでなんていないわ。わたしは最期くらい戦って死にたいだけ。知ってると思うけど、私は回復魔法しか使えない。その私に今のあんたが勝てないわけがない」


ビョウブは地面に転がる剣を手に取った。


「私はこれと回復魔法で戦う。あなたは攻撃魔法」


ホイホイは挑発に体が(うず)いてきた。


「もちろん私はペンダントを隠し持ってなんていないわ。圧倒的に私が不利よ。それでも私は(あらが)いたいだけ。強いあなたに」


ホイホイは自分の計画を遂行するか誘惑に乗るか葛藤していた。


「いかに攻撃魔法が強いか、上級魔法使いのあんたなら知ってるでしょ?」


ホイホイは体を震わせた。


ホイホイは勝ちたくなった。戦ってビョウブを負かしたかった。そうすればより興奮するだろうと思った。

優越感を味わい、ビョウブに劣等感を植え付けさせる。望んでいたことだ。


負けるはずがない。

この状況で負けるはずがない。



ホイホイはクックルに向けていた手をゆっくりと下ろした。そして仕えるドラゴン族に指示を下した。


「小僧を監視しとけ。おかしな行動をとったらすぐに始末しろ」


「御意」とドラゴン族は頭を垂れた。


ホイホイは黒い法衣を(ひるがえ)し、前へと進み出た。


「あいつらに手を出させるなよ?」


ヨキとケージに目を向けて釘を刺した。ビョウブは(うなず)いて前へ出た。


勿論(もちろん)、正々堂々だからね」


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