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ホイホイは自分の優勢を確信してほくそ笑んだ。
ビョウブは頭を振り、ため息をついた。
「あんたは知的で強敵だということが分かったわ」
ホイホイは眉をぴくりと動かした。
「こんな手を使わなくても、その頭脳なら普通に私たちに勝てたんじゃないかしら」
ホイホイは込み上げる感情を必死で堪えようとしていた。
「……そうかもしれないな」
「だったら一度、正々堂々と戦ってみない?」
「なに!?」
ホイホイはビョウブの提案を訝しんだ。
「何を企んでいる?」
「別に企んでなんていないわ。わたしは最期くらい戦って死にたいだけ。知ってると思うけど、私は回復魔法しか使えない。その私に今のあんたが勝てないわけがない」
ビョウブは地面に転がる剣を手に取った。
「私はこれと回復魔法で戦う。あなたは攻撃魔法」
ホイホイは挑発に体が疼いてきた。
「もちろん私はペンダントを隠し持ってなんていないわ。圧倒的に私が不利よ。それでも私は抗いたいだけ。強いあなたに」
ホイホイは自分の計画を遂行するか誘惑に乗るか葛藤していた。
「いかに攻撃魔法が強いか、上級魔法使いのあんたなら知ってるでしょ?」
ホイホイは体を震わせた。
ホイホイは勝ちたくなった。戦ってビョウブを負かしたかった。そうすればより興奮するだろうと思った。
優越感を味わい、ビョウブに劣等感を植え付けさせる。望んでいたことだ。
負けるはずがない。
この状況で負けるはずがない。
ホイホイはクックルに向けていた手をゆっくりと下ろした。そして仕えるドラゴン族に指示を下した。
「小僧を監視しとけ。おかしな行動をとったらすぐに始末しろ」
「御意」とドラゴン族は頭を垂れた。
ホイホイは黒い法衣を翻し、前へと進み出た。
「あいつらに手を出させるなよ?」
ヨキとケージに目を向けて釘を刺した。ビョウブは頷いて前へ出た。
「勿論、正々堂々だからね」




