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「それがあんたの望み?」
ビョウブは地面の剣からホイホイに目を移した。
「そうやってバックを殺したの?」
ホイホイは嘲笑った。
「愚鈍なバックなぞにこんな小細工など使うか。あんな奴を殺すなど造作もなかったわ」
ホイホイは沸々と怒りをぶちまけた。
「オレを見下したクズだ。暑苦しいだの、顎のラインが分からないだの、手の指まで丸いだの!」
顔を赤らめてホイホイは激昂した。
「いつも汗かいてるだの、鼻息が荒いだの、足が短いだの! 『あれぇ? ブタ族かと思った』だの!」
「……めちゃめちゃ言われてるなぁ」
ヨキは少しだけホイホイに同情した。
「言葉の暴力が一番突き刺さるからね……」
ビョウブも若干ホイホイを憐れんだ。
「だからあいつには屈辱的な死を与えてやった。オレを怒らせるからだ!」
ホイホイの小さい目が光る。
「だからお前たちには潔い死を与えるだけ有難いと思え」
一方、国境付近では、ドラゴン族と鬩ぎ合いを繰り広げていた者たちが、膝に手をついて息を整えていた。
「はぁ、はぁ、もう敵はいねぇだべか?」
「ふぅ、ふぅ、もうやって来る気配はないな」
「じゃ、じゃあ、オイラたちは15万人に勝ったべか?」
「まだ倒れている感染者がいるだろう。ブヒタロウ、いそうか?」
「うーん、こっからはオーラは見えねぇべ」
その時、倒れた者の陰に隠れた者が、休んでいるブヒタロウの背後から迫ってきた。
「ブヒタロウ! 危ない!」
ブヒゾウが叫んだ。
そのドラゴン族の急襲者は剣を振りかざす瞬間、辺りをキョロキョロと見回した。
「ど、どこへ行った?」
ドラゴン族はブヒタロウを見失い、戸惑いの声を上げた。
ブヒゾウも唖然と息を呑んだ。
「ブ、ブヒタロウ、お前……」




