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ホイホイはクックル王に目を向けた。
「お前は何かペンダントらしきものを持っているようだな? 知っているぞ。あの剣と同じ性質のものを身につけてるんだろ? 出してみろ」
クックルは目を泳がせたが、サントーリオが促すように頷くと、生えたての翼の中からクジラの骨で作った楕円形のペンダントを取り出した。
ホイホイの言う通り、クックルに触れた時点でホイホイは悪意を失う状態にあった。
剣の製造工程で余った骨の破片でペンダントを作り、クックルにそれを常に身につけさせた。
秘密裏に作らせたはずだが、ホイホイにはお見通しのようだ。
「お前の能力を封じ込めたペンダントか」
ホイホイはクックルにそれを捨てるよう命じた。
クックルは躊躇したが、指示通りにそのペンダントを投げ捨てた。
「これでオレが触れれば、こいつは悪意に侵されるわけだ」
ホイホイは剣を喉元に突きつけながら、クックルの体に手を伸ばした。
「……って、オレが触れると思ったか?」
ホイホイは伸ばした手を止めた。
「持っているのは、なにも1個とは限らないよな?」
ホイホイは警戒を緩めず、強かに笑った。
クックルは観念してペンダントをもうひとつ投げ捨てた。
「随分と頭が切れるようで」
ヨキは皮肉をこめてホイホイを讃えた。
「当たり前だ。頭でオレに勝てるわけがなかろう」
ホイホイは自らの知能によっぽど自信があるようだ。
「さて、これでオレはこの小僧を殺すことも悪意に染めさせることも出来るわけだ。どうするよ、ビョウブ、ケージ?」
ホイホイはそう2人に言葉を投げ掛け、クックルに突きつけていた剣を放り投げた。
「先程の質問の答えだ。お前たちをどうするか」
剣が転がり、地面に金属音が鈍く響いた。
「自決しろ」
「は?」
ホイホイはクックルの体に触れる仕草を強調してビョウブとケージに見せた。
「自ら命を絶て、と言っている。そうすれば小僧を解放してやろう」




