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この異世界は悪意しかない!  作者: 浅見青松
第4章 ディーカイト・カゲ国編
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王宮を出ると、陽は既に傾いていた。今のヨキはやることが山積みで、1日があっという間に過ぎてゆく感覚だった。


「素晴らしい熱弁だったわね」

背中からビョウブが話し掛けた。


「からかうなよ」

ヨキは苦笑いを浮かべる。


「違うわよ、みんなやる気出したじゃない」


ヨキは頭を()いた。


「みんな僕に合わせてくれたみたいだな。僕が励まされちゃったよ」


ヨキは苦笑して凝った肩を()んだ。


「あんまり仕切る(がら)じゃないんだけどなぁ。なんか立場上そうなっただけで」


ビョウブは口を押さえて笑った。


「その割には上手(うま)かったわ。ちょっと堅苦しい演説だったけど」


ヨキは思わず顔を赤らめた。


本来、自分が高校生であったことを忘れて、無意識につい大人ぶって力説した。

知らず知らずに歴史の教科書に載るようなリーダー像を真似ていたのかもしれない。



「ところで、そのドラゴン族の国の亜人ってどんなタイプ?」


ヨキは横を歩くビョウブに尋ねた。


「ああ、バックね」


「魔法使いか?」


「そうよ」


「魔法使いばっかだな。それだけ魔法が強いってことか」


「そうね。国を統括するんだもの。並の亜人じゃ出来ないわ。魔法を使えないと」


「どんな魔法使いなんだ?」


「うーん、あまり知らないけど、魔法使いとしてはたいした実力はなかったと思うわ」


「ドラゴン族を制圧したのに?」


(おさ)のイデヨは大きい分、制圧も簡単だったのよ。尻尾の先にでも悪意を当てちゃえばいいわけだから。しかも常に泥酔してるし、寝込みを襲うことも出来る」


「そういうことか」


「バック、その魔法使いのことね、バックは弱いけど、ドラゴン族を簡単に制圧して強大な国を得た。ドラゴン族は他の種族と比べても戦闘力は高いし。ローリスク、ハイリターンの典型ね」


「じゃあ、イデヨやバックを抑えるのは容易(たやす)いかな?」


「その2人なら。ただ気になるのは……」


「他に誰かいるのか?」


「壊滅させられたというムシ族の国、キーモ・インデスケッド国にいる亜人」


「それが厄介なのか?」


「名はホイホイ。ちょっとなに考えてるか分からないタイプなのよね」



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