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53.最終の時*アリス*

 ***


 そして、以前のように全員があつまった。八雲さんと九条君は勿論柏木君が移動して来た。私同様、皆九条君を見つめている。


「で、出来たのか? 完璧に?」


 柏木君が聞いた。聞かずにはいられない。


「ああ、うん。それでこれを撒く方法なんだけど家からだともしバレたら困る。だから、大学の図書館を使おうと思うんだ。大学に頻繁に行って思ったんだけど。ただそのまま行くのは危険だから、柏木に移動してもらう。図書館の人がいない場所に送ってもらって、大学のパソコンを使ってばら撒く」


 そういえばいつも学生服だったのに。八雲さんの大学に行くようになって着替えてきてたけど、今日も着替えていたし靴も持っていたので違和感があった。今日行くつもりなんだ。


「今日行くのか?」


 桃李も気付いて九条君に聞いた。


「はい。これが世界中に浸透するのに一ヶ月はかかると想定してます。なので十二月二十五日のクリスマス以降に起動するようにしました。パソコンを立ち上げたらパワーがでる。一斉に世界中のパソコンが立ち上がるとニュースになってバレる可能性が高いんで、立ち上げたパソコンから出るようにしました。期間は十二月三十一日まで。そのあとは自動消滅するようにしてあります。鏡野と柏木と桃李さんは出来るだけパソコンを使わないようにお願いします。最後の日に確認してください。世界中に広まっているかを、確認し辛いけど。ただこれかなりの距離まで届くんで避けても避けられないかもしれないけど。なんで、避けてても変われっていれば……」

「広まってるね。世界中に」


 私が九条君の言葉を続ける。


「わかった。俺も少し前の過去なら見えるから出来るだけ確認するよ。クリスマス以降に」


 桃李にも見えるんだ。過去と一括りにしてもずっと広くいろんな時代のいろんな場所が見えるんだ。


「じゃあ、鏡野、大学の図書館の人のいない場所を柏木に、柏木は僕を図書館に送ってくれ。帰りはまた合図を送るから」

「わかった」

「じゃあ、行くよ」


 九条君は八雲さんの為に用意していた新聞紙の上に靴を履いて立った。

 私は八雲さんの大学の図書館の人のいない場所を探した。見つけた! 柏木君にそこの場所の映像を送る。九条君は大学の図書館に移動した。私は皆に九条君の映像を送る。

 九条君は一台のパソコンの前に座った。




 しばらくして、九条君は立ち上がった。そしてひと気のない場所に移動する。九条君からの合図があった。柏木君はすぐに九条君を戻した。


「多分これで上手くいくと思います」


 なんだかはじめの頃の九条君とは別人のよう。自信にあふれている。あんなにも自信をなくしていたのに。


「これで……終わりなんだな」


 八雲さんがぼそりと言った。意外な反応だった。八雲さんもいろいろ背負っていた、それを私達には見せなかったけど。そんな気がした。


「もし上手くいかなかったら元旦にまた知らせてくれるかい?」

「はい。じゃあ、全ては今年が終わるまでか、私達残りの三人の力がなくなるまで。上手くいかなければ、また元旦に連絡します」


 私が言い終え、なんだか終わりが見えないゴールに向かっている気がした。

 気がするんじゃない、終わりが見えないんだ。結果は最悪の時にしか出ない。

 いつものように送られ八雲さん、九条君は帰って行った。柏木君に送られて。


 私は柏木君に玄関で思わず問わずにはいられなかった。


「ねえ、柏木君。これで上手く行くのかな?」

「九条を信じよう」

「そう、そうだね。信じよう」


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