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43.誰の仕業*アリス&桃李*

 ***



 桃李がいつものように料理中だ。いつ話そう……。今は無理か。ご飯の後にでも話をしよう。……全てが終わったら私が晩ご飯作らなきゃ。今まで桃李の優しさ甘えてた分まで。桃李の後姿にはさっきの焦りはない。いつも私の焦りをさとす桃李はそこにはいなかった。桃李は焦っていたんだずっと、それを隠し皆を支えてきた。特に私を。桃李の言葉に何度救われただろう。桃李は桃李らしいやり方で自分の役割を果たしていたんだ。本人は気づいてないけれど……。


 ***



 食後にはいつも少し話をする。俺の事やアリスの事。最近はずいぶん話す時間が減った。俺がわざと加わっていないからだ。柏木との間に割り込もうという気にならなくなった。部活が終わって、いい機会だと思った。自分の気持ちを整理し納得させようと。

 今日のアリスはいつもより緊張している。皆といる時から柏木と別れて俺といつものようにキッチンにいるが頬杖をついてるが時折俺を見ているようだった。なんか話しがあるんだろう。どんな話か見当もつかないけど……いい話じゃなさそうだ。

 いつもより口数少なくご飯を食べ終えた。いつもなら俺が食べ終わってもまだ半分ってとこだ。なのに今日は俺よりも早く食べ終わり自分の食器を洗っている。食後に話をする気なんだ。俺の急いで食べた。嫌な事は早く終わらせる。それに限る。

 食器を洗い終えて二人で向き合う。……何の話だろう。アリスは少し考えこんでいる。


「ねえ、桃李、八雲さん未来は形は変えるけど、死は変えられないって言ってたよね?でも多少の未来は変わる。知っている情報ももう一度聞かないとなかったことになるって」


 やっと切り出したアリスの言葉はこうだった。まだ話が読めない。


「ああ、言ってたけど、それがどうかしたか?」

「未来がそうなら過去は?」

「へっ? 過去って?」


 どういう事なんだ。アリスは何が言いたいんだ。


「あのね、ファティマの聖母だよ。あれを誰がやったのか……」

「えっ! ああ、確かに誰かがこの計画の布石の為に……えっ! あれをやるのか? だけどどうやって過去に行くんだ。場所も遥遠くだし、それに次々に奇跡も起こさないと……まさか、アリスか? ビジョンを……」


 アリスはいったい何を言い出すんだ。


「そう。私にはビジョンを見せれる、見た事のある映像だけだけど、いろんな世界を見ることが出来る、今なら現実じゃない本物のような映像もたくさんある。場所の移動は柏木君が……必要なのは過去への移動。正確に言うなら過去へ行って戻るという能力」


 アリスの言う過去へ行って戻るという力は俺に、ということなんだろう。アリスは簡単に言うが俺がどこまでの力を持てるのかは想定不可能だ。それに出来ても戻れなければ意味がない。アリスを過去に戦時中の外国へ置いてけぼりにすることになる。それだけはなんとしても避けてたかった。


「なあ、ファティマの預言を俺たちがしたって可能性は低いんじゃないのか? アリスの他の人の頭に送るビジョンだけじゃ奇跡には足りないだろう? ビジョンの聖母で話を続けるのは無理がある。だいたい俺の能力がそこまであるのかわからないんだ。ファティマの預言がなければ俺たちがしている事もなかったことになる。つまり世界中から力は消えない……そこでやったらダメか?」

「うーん」


 アリスは考えこんでいる。過去と現在と未来を。ファティマはだれの仕業なのか。この世に神がいて暗示した……考えにくい、ここで神の仕業なんて言葉で片付けるのはやはり無理があるが……。


「でも……八雲さんが言ってたよね見える未来は選べない。他人の死から僕達に関係する事まで。まるで何かに導かれるように。僕達以外にもそういう人が人達がいたんじゃないのかな?」

「でも確証がない」


 アリスは頑ななだ。僕の能力を残していたのはこの為だったんだ。預言をしなければいけない可能性の為に。


「じゃあ、ファティマの聖母がした事をアリスが可能か見てみよう」


 俺はアリスの手を引き俺の部屋へ行った。パソコンの電源をいれる。聖母がしたと言われることを、書き連ねた。確かにビジョンを見せる事が多かった。でも、リアルでなければならないものもあった。ビジョンだけでは納得できないような……。アリスも思案を重ねている。自分に出来るかと。すべてを納得させられるだろうかと……。


「無理……無理があるね」


 アリスがボソリとつぶやく。良かった、納得してくれて。アリスをこれ以上危険にさらす訳にはいかない。


「そう。無理があるよ。もし俺に誰かを過去に送り奇跡や預言させるようになっているなら、今頃その力を持つもう一人が現れるよ。そうだろ?」

「そう。そうだね。全てが決められているみたいだった。ファティマの聖母も計画ならそうなるはずななんだ……」


 やっと、アリスが納得してくれた。……でも、ファティマの聖母って誰の仕業なんだ? 本当は?


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