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「嘘でしょ……まだ戻ってきてる……」
何度捨てても必ずぼくの部屋に戻ってくる人形。
もうこれで50回くらいは捨てただろうか。10回を超えた辺りから数えるのは止めてしまった。
「もう……いい加減にしてよ……!」
ぼくはまた人形を鷲掴みにする。
そして再度捨てようと思ったが、足を止めた。
「……そうだ。戻って来られないようにぐちゃぐちゃにしちゃえばいいんだ」
小さい頃からずっと遊んできた人形は、古ぼけて汚らしい人形になっていた。
だから別にぐちゃぐちゃにしちゃっても、心は痛まないもん……。
そう自分に言い聞かせて、ぼくは人形をハサミで切り刻む。切り刻んだ後の人形はゴミ袋に入れて、何重にもキツく縛った。
……そして今度はバスの終点まで乗り、そこのゴミ捨て場にゴミ袋を投げ捨てる。
「ここまでしたら、流石に戻って来ないよね……」
ぼくはため息をつき、反対側のバスに乗って家へと帰宅した。
「なっ、何で……!何でぇぇ……」
家に帰ってきた僕を待ち構えていたのは、何事も無かったかのようにぼくのベッドに鎮座している、切り刻まれる前の状態の人形だった─────……




