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ならずや黎一郎  作者: 有氏ゆず
第一話 その男、ならずものにて
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1-9





「僕の、家族……!?」

「あァ。例えばテメェの家族に何か変化は無かったか?どんな小さなことでも良い。思い出しやがれェ」


小さいどころか明らかな変化がある。

そう。両親の喧嘩だ。昔から結構意見が対立することはあったらしいが、それでも上手く折り合いをつけており、仲良しな夫婦だったように思える。


少なくとも、あれほどまで激しい喧嘩が多発して、しかも長引くなんて有り得ない……!




「その顔は、何か心当たりがあるんだな?」

「……うん。最近、不自然に喧嘩が増えたから。もしそれが陰魔のせいだったとしたら、納得出来る」


僕の言葉を聞き、神々廻さんはニヤリと笑う。


「そうかァ……なら、お祓いの時間だ。おい、テメェの家までさっさと案内しなァ」

「……祓ってくれるの?」

「そう言ってンだろ。手遅れになる前に早くしやがれ」


手遅れ……。その言葉にゾッとした。

大丈夫……だよな。僕の両親は……死んだり、しないよな……?




「大丈夫ですよ」


僕はよっぽど酷い顔をしていたのか、見かねた純子さんが優しく声をかけてくれる。


「黎一郎さんはプロですから。彼に任せていれば解決します」

「おい純子、ハードルを上げるんじゃねェ」

「あら。もしかして自信が無いのですか?」

「……チッ。良いからとっとと案内しやがれ!」


純子さんに煽られたからって、僕に当たられても困る。

でも、今のやり取りで少し心が落ち着いた。

うん。僕の両親は大丈夫。信じよう。




「行こう、黎一郎」

「あァ」

「……こっちだよ」


僕は純子さんに頭を下げ、食堂を後にする。

そして2人を両親の元へと案内するのであった。




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