第1話「ゴールド・ブレイド」
これはむかしむかしのものがたり
かつてたいりくには ひととまぞくがへいわにくらしていました
あるときふたつのしゅぞくがあらそいをはじめ せんかはまたたくまに たいりくじゅうにひろがりました
せんそうは あまたのえいゆうをうみました けれどえいゆうはたたかいにかてても せんそうをとめることはできませんでした
かみさまは きずつけあうかれらのすがたをみておられず あるけつだんをしました
「べつのせかいからたすけをよびましょう」
べつのせかいからまねかれたひとびと――「てんせいしゃ」はとてもおおきなちからをもっていました
てんせいしゃのかつやくによってせんそうはおわり まけたまぞくはどこかにさっていきました
これはむかしむかしのものがたり
そして今から語られるのは 物語の終わりから時が流れたこの世界の 新しい物語
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ナイトスターズ ―Beginning―
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「ご注文のビッグハンバーガーです」
「わお! さいこー!!」
17、8歳程の金髪の少女がウェイターが運んできた料理に手を叩いて喜んでいる。
人々で賑わう昼時のカフェテリアの一人席で、少女は肉汁がたっぷり染み出るハンバーガーにかぶりついた。
「(この世界でもこんなに美味しいハンバーガーが食べられるなんて……神様万歳って感じ♡
)」
グワシャ!!
少女の和やかなランチタイムは、眼前のテーブルに衛兵の体が叩きつけられた瞬間に終わりを告げた。
「……注文してないんだけど……」
「に、逃げろ……堕落者だ……」
少女が通りに目を向けると、人々が悲鳴を上げて逃げ惑う姿が目に入った。
「ああ、そういうこと」
少女は大口を開けてハンバーガーを一飲みにすると、逃げていく人々とは反対の方向に歩いていく。その目は鋭い琥珀色に輝いていた。
■
「うるるるるるるる……」
人型の狼のような怪物が、衛兵たちと対峙している。全身を覆う体毛は返り血を浴びたかのように赤黒く、人間の頭を丸ごと持っていけそうな大きさの口に、黄ばんだ色の牙が不揃いに並んでいる。
金色に光る目は休みなく周囲を見回しており、その風貌は正に血に飢えた狼の化け物といったところだろう。
「うてえ! うてえ!」
衛兵たちが放つ弓矢は、その怪物の肌には1ミリも突き刺さっていない様子だった。
「どけ蛆虫共!」
「ぎゃあああ!」
怪物が腕を振ると、それだけで3人ほどの衛兵が同時に吹き飛ばされる。
「と、止まれ……」
衛兵の一人が震えながらも剣を突きつけるも、怪物の右手にあっさりと捉えられてしまう。
「お前らみたいな只の人間の生首を一つ一つもぎ取って、この都市の名物オブジェにするのも面白そうだな」
そう言うと怪物は捕らえた衛兵の頭めがけて左手を高々と振り上げた。
「ガッ!!?」
何かが爆発する音が響き、それと同時に怪物の右手に金貨が突き刺さる。拘束が緩んだ隙を突き、衛兵は怪物の魔の手から死にもの狂いで抜け出した。
「アタシのランチタイムをめちゃめちゃにしてくれたのは貴方?」
改造されたフリントロック式のピストルを構えた少女が、怪物の目の前に立っていた。
「おいガキ……お前も転生者か」
怪物は少女が身につけた紺色のセーラー服を眺め、不敵な笑みを浮かべる。大胆な短さのミニスカから覗くがっしりした太股が眩しい。
「いつも思うんだが……転生者どもはどうして能力を好き勝手に使わないんだ?」
怪物は少女を指差して話し続ける。
「おいガキ……お前も転生者なら能力持ちだろう? この『首狩りガラシャ』の僕になれ。そうすれば殺さないでやるし、只の人間ども相手に能力を使って暴れまわる楽しさを教えてやる」
その時、少女の側の瓦礫の隙間から傷だらけの小さな女の子が這い出してきた。
「ママ……ママ……」
ガラシャと名乗る怪物は残忍な笑みを浮かべて女の子の方に視線をやった。掌に突き刺さっていた金貨がポロポロとこぼれ落ちていく。
「こんな風になあ!!」
女の子の首を刈り取らんとする右腕が容赦なく振り下ろされる。
ーー能力発動 ・身体強化
ガギッ!!
が、爪は女の子の眼前で動きを止めた。黄金色のオーラを纏った刀に食い止められたのだ。
「貴方の僕になれって? そんなのお断り。だってアタシは貴方みたいな堕落者じゃないの」
いつの間にか脱ぎ捨てられたセーラー服が宙に舞い、少女は桃色と金色を基調にしたタイトな戦闘服へと姿を変えていた。
「アタシは転生者にして英雄。黄金の剣・キリエだから」
――第2話に続く。
そういう訳でまたまた帰って参りました。CATANAです。今度の「ゴールド・ブレイド」シリーズは新キャラ、新ガジェット追加で更に世界観を広げていくつもりです。評価感想していただけるととても励みになります。それではよろしくお願いいたします!




