職員視点・二幕
警報が鳴った。
「誤作動じゃないのか……?」
「どんな厄ネタを持ち込んだんだ?」
「扉に向かっているのか……流石に見逃せないな。」
滅多に使うことのない杖を持って立ち上がった。
「止まってください。」
「嫌だね。」
「ゲートに引っかかりましたよね?」
「それで?」
「さっさと戻してきてください。」
「やだよ、せっかく連れてきたんだし。」
「そうですか……」
思った通り言う事を聞こうともしなかった。
出来ないことは分かっていたが言うしか無かった。
「強制退場してもらいます。」
「それ以上私の暇つぶしを邪魔しないでくれない?」
苛ついているのが分かる言い方だった。
「ヴェールシアに行くおつもりでしょう?」
「まあそうだね。」
「なおさら通すわけには行きません。」
「しつこいなぁ、殺すよ?」
今日は厄日だった。
紫の瞳には確かに殺意がこもっていた。
職務以外のことを考えないようにした。
「あなたと本気でやり合ったら私に勝ち目はないでしょう。」
「そうだろうね。」
「あなただから地球に行くのを手引きしたんですよ?」
「それは信用しすぎじゃない?」
「そりゃ信用もしますよ。」
「仕方ないさ、こうなるだろうなとは思ってた。」
「言い訳はあるけど聞くかい?」
「ヴェールシアに行くと答えた時点で無駄でしょう。」
ヴェールシアという単語が出た時点で通すことはできなかった。
「それもそうだね。」
「じゃあ、通らせてもらうよ。」
「フェイズ・ロック」
放ったはずの魔法はノクサの前で落ちた。
ノクサは異質な杖を向けてきた。
頭が理解する前に吹き飛ばされていた。
最初から分かりきっていたが勝てるわけがなかった。




