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退屈の殺し方  作者: 夜凪
第一章 来訪
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訪問

裁判所の外に出ると、空は異様なほど澄んでいた。

雲一つない青が、まるで何事もなかったかのように広がっている。


「助かったぁ……」


ユーノが小さく呟いた。


「巻き込んでごめん。」


「気にしないで。」


「でも……」


「これで貸し借りチャラにしよう、ね?」


「ありがとう。」

連はそう答えたが、胸の奥にまだ引っかかっていた。


ユーノを巻き込んだこと。

そしてアナーシャの言った――“死者”。


その言葉が、まだ耳に残っている。


「ここに居たのか。」

そう言いながらアナーシャが近づいてきた。


「無罪放免おめでとう。」


「また歴史が進んだね。」

笑顔でそう言った。


「死人ってどういう意味だよ。」


「ちょっと連、この人は十書だよ?そんな態度で話したら無礼だよ。」

ユーノが慌てて言った。


「十書って何だ?」


「簡単に言うとね、偉い人の集まりだよ。」


「十書って呼ばれてるくらいだから十人いるはずなんだけど……」


「四人しか分かってないんだ。」


「説明ありがとう、でも今のままでいいよ。」


「契約を交わしたんだ、公平(フェア)にいこう。」


「何はともあれ、行くところもないだろう?私の家に来ないか?」




「ここだよ。」

それは都市からかなり離れたところにあった。


「でっか。」

家というよりちょっとした城のようだった。


「昔の貴族の家でね、都合がいいんだ。」


「私は物が多いから収納できるスペースがあってありがたい。」


「ゆっくりしていってくれ。」

そう言って門を開けた。


「凄いな……」

庭から玄関までの道の周りにもいくつもの物が置いてあった。


「あれなんだろう……」

ユーノが指をさした。


「戦車……?」


「あれは歴史の闇に消えたんだ。」


「作ったはいいが使われなかった。」

「あるいは隠蔽された。そういう物もここにある。」


「博物館みたい……」


「博物館は勝者の歴史だよ。」


「負けたものは影に埋もれている。」


「私は、歴史だけは忘れない。」


「中で少し話そう。」


家の中もたくさんの物があった。


「ゆっくりしててくれ。」


「今何か持ってくる。」

そう言って部屋を出ていった。


「ねぇ連……」


「さっきの審判の話。」


「連ってこの世界の人じゃないの?」


ユーノはまっすぐこちらを見ていた。


「死んでるって言ってたけど、連は私を助けてくれた。」


「おれはこの世界の人じゃないよ。」


「ノクサに誘われて来たんだ。」


「そうなんだ、ありがとう。」

少し安心したように微笑んだ。


「話してくれて。」


「一個質問していい?」


「連ってなにか能力持ってるの?」

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