2章4 Chaotic zone
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十色盟・巧速徹道連合以外の3グループも、日数をかけて"五稜町の中心にある町役場の正門まで行ってくる"という課題はクリアしたが、自力での脱出は失敗した。
最後のグループが課題をクリアするまでの間の"課題日"に、十色盟と巧速徹道の8人は教師に呼ばれて"教職員以外無断立入厳禁"の場所へ通っていた。
全グループが五稜町の課題をクリアした後、別の課題を1つ挟んで次に出された課題は"魔法によって作られた結界からの脱出"。
五稜町からの自力脱出に失敗した6チームに対しての課題で、グループはその時のものを再結成する。
では、自力脱出に成功した十色盟と巧速徹道の8人はどうするのか。
その答えを担任の兼利文が告げる。
「十色盟と巧速徹道の8人は先生たちの"お手伝い"をしてもらいます。
もちろん、働きの結果によって成績にボーナスが付きます」
戦闘系の課題であるため、3グループの24人は実際に行われる次回の課題日に備えて学校や門の近くで戦闘訓練をしていたが、十色盟と巧速徹道の8人は教師に呼ばれて再び"教職員以外無断立入厳禁"の場所へ向かった。
そして、次の課題日、五稜町を模した結界の中央に3グループの24人が転送された。
担任からは転送する直前に、転送された瞬間から課題の開始になることと、他のグループと協力しても構わないという2点が説明されたが、直前で言われていきなり協力体制を構築するには無理があり、3グループは個別に行動することとなった。
一方、十色盟と巧速徹道の8人が任された"お手伝い"は、3グループの脱出の妨害。
"手持ちの魔物"を放つか、自分が出るかして、クラスメイトの脱出を遅らせる、もしくはリタイヤに追い込むことが仕事。
ただ、魔物はブラックホークやブルーウルフ、ルナティックベアなどで、実際に五稜町をうろついている魔物よりも弱い。
また、魔物を使わず自分で阻止する場合も、結界によって攻撃の威力が減衰される。
課題がスタートして、真っ先に妨害に遭ったのは煌華菱嵐・王天上連合。
ブルーウルフの群れが相手だったが、十色盟との共闘でブルーウルフを退けた実績のある煌華菱嵐のメンバーが中心になって見事に退けた。
別のグループは、結界の角に当たる少し広いところで白髪のメガネっ娘に行く手を阻まれた。
灰色の綺麗な瞳は、青い膜のようなものに覆われて見えない。
彼女の前と後ろの道は、彼女が作ったであろう、青い氷の柵で塞がれている。
「明さん、ここを通して…」
「ここは誰も通さない…青雷撃」
明は何のためらいもなく、クラスメイトに向かって青い雷を放った。
「明さん!正気に戻って!」
1人が明の前にある氷の柱を1本壊し、明に近づこうとする。
「これ以上近づいたら、これで首を刺す」
明は感情の籠っていない言葉とともに、左手の人差し指に生やした青い"氷の針"を、近づいてきたクラスメイトの首に当てた。
煌華菱嵐・王天上連合は次々と襲いかかる魔物を、たまに苦戦することもあったが、すべて撃退して先に進んでいた。
ところが、その歩みが突然止まった。
結界の角に当たる少し広いところで遭遇した"敵"は黒髪ショートボブの小柄な女の子。
濃いブラウンだったはずの瞳は光を失い、漆黒の闇に染まっている。
彼女の背後は闇に覆われていて、彼女を躱して先に進むことは不可能。
「葵様…そこの闇を払っていただけませんか?」
「闇を払いたくば…わたしを滅ぼしてみなさい」
「そんな…葵ちゃんと敵対するなんて…」
しばらくして、3グループはなぜかスタート地点に戻ってきた。
だが、最初に明に追い返されたグループが逃げ帰ってきて、次にやってきた煌華菱嵐・王天上連合は先にいた8人に襲いかかる。
葵に刃を向けられた煌華菱嵐と王天上の8人は全員、精神に異常をきたして
「葵様の敵を…滅ぼす…」
などと独り言をつぶやきながらクラスメイトを手にかけた。
そこへ、瞳を禍々しい赤に染めた命によって呪いをかけられた残りの1グループ8人が乱入し、阿鼻叫喚を極めた。
壮絶な同士討ちの末に生き残った者も、3人と同じく正気を失った茗露に止めを刺され、24人はあっけなく全滅した。




