2章3 Starlight Express
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十色盟・巧速徹道連合の8人は象牙色の塔で帯びた魔法のおかげか、五稜町の中にゆっくりと着陸した。
すぐそばに五稜町役場の正門があり、門の前に1人ずつ立って、課題のために貸し出された記録用端末で撮影。
「これでまず最低限の条件は達成しましたね」
今回の課題は"五稜町の中心にある町役場の正門まで行ってくること"で、証跡としてメンバー1人ずつの正門前で撮影した画像が必要になる。
命が"最低限の条件"と言った理由は、この後自力で五稜町を脱出するか、時間切れ等で教師に救出されるかによって"評価"が変わると担任から聞いたためで、もちろん葵たちは自力での脱出を目指す。
水保が「レッド・コンパス・ニードル」で方位磁針を出現させる。
「北はあっち…」
「それならこういう道順ね…光、大丈夫?」
明は象牙色の塔の最上階にいる時に、眼下に広がる五稜町を記録用端末で撮影していた。
メンバー全員にその画像を見せて、道順を示してから、光に声をかけた。
「ウチならいつでも行けるよ、葵は?」
「大丈夫…だと思う…」
最後にもう一度、脱出作戦を再確認してから葵と光が魔法を発動させた。
「インヴィンシブル・スターライト!」
「スーパールミナル・エクスプレス!」
葵の白魔法で8人がピカピカ光り始め、光の青魔法を受けた8人は超光速で北へ向かって走る。
凶悪な魔物が8人の行く手を阻んでも、光り輝く彼女たちによって弾き飛ばされる。
"インヴィンシブル・スターライト"が切れそうになると、葵が重ね掛けして効果を持続させる。
葵が最後の"インヴィンシブル・スターライト"を使った直後に、北門が見えた。
北門は扉ではなく"跳ね上げ橋"のような分厚い板で塞ぐことにより侵入者を防ぐ形式の門だったが、北門の先の"跳ね上げ橋"は"明の見立て通り"閉じられても、完全に下がり切ってもおらず、少し角度のついた上り坂のようになっていた。
勢いのまま跳ね上げ橋を駆け上がった8人は水堀を大きく飛び越える。
その途中でようやく"インヴィンシブル・スターライト"が切れた。
橋の残骸も越えて、8人は"森"の"赤帯"部分に突っ込んだが、"森"がちょうどいいクッションになったようで、体へのダメージはほとんどなかった。
「あ…葵様たちが…降ってきた…」
壊れた橋のたもとにいた「煌華菱嵐」のリーダー椿山智は驚いて腰を抜かした。
赤帯部分から出てきた葵たち8人に煌華菱嵐と「王天上」の連合メンバー8人が寄ってくる。
「葵ちゃんたち、五稜町に入れて、しかも自力で脱出したなんてすごいよ…」
煌華菱嵐の桜木雅が葵に抱きつき、葵の頭を撫でながら、葵たちを褒めた。
「やはり、あの決定戦で大魚を逸したばかりに…希未さんたちが羨ましいです…」
王天上のリーダー多田沙羅はそういいながら、雅の反対側から葵に抱きつく。
沙羅たちの王天上は課題の発表直後に行われた、十色盟と連合を組むチームを決める"十色盟争奪戦"で巧速徹道に敗れた。
「葵は雅と沙羅にとられちゃったから…私は…明にする」
王天上の持田頼子は明に抱きつき、抱きつかれた明も嫌がらず、むしろ顔を自ら頼子の胸に埋めていた。
しばらく16人でイチャイチャ、キャッキャウフフした後、十色盟・巧速徹道連合の8人は煌華菱嵐・王天上連合の8人と別れ、四稜町に戻った。




