葬送の祈請
おお神よ 御恤み深き 恒神よ
小さき魂は いま罷り出づ
願はくは その希ひをば 叶へ給へ
生れ変はらむ 意志有らば 頻々と還らせ給へ
生れ変はらむ 意志無くば 御許に眠らせ給へ
魔物なき世の 成り成らむ日まで
※初出から修正しています
「徨う花の物語」の舞台である惑星ウィラルテは恒神(Apeiron)が実在して、生まれ変わりの思想を持つ世界。Virarte(viri+alte)とはラテン語の造語で「人の育ち時よ」。人類が「我等の世なり」と胸を張る自称です。
第74話で主人公たちは共闘した魔物狩りの葬儀に参列します。そこで神官が訴い詠った葬送の祈りです。語り手リカは神殿に神像の類が無いことに疑問を抱きます。これは使徒の正体に直結する、正しい違和感でした。
主人公たちは地球で死んだあと「薄明の時空」で恒神の声を聴きました。記憶を失った魂となって生まれ変わるか、記憶を保持したまま転生するかの選択を示されて転生を選びましたので、感慨に耽ります。
また硬貨と布と食物の三種を副葬するという地球そっくりの慣習から想いを馳せ、「魔物なき世」の真実にも迫ります。そして何よりも葬儀の場では、運命を左右する重要な人物と出会うことになったのです。




