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『死んだ俺だけが、世界崩壊前に戻れる』  作者: Y.M
第1章

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「管理者の選択」

ユウは目を閉じたまま、未来の断片を見ていた。


 無数の可能性。


 どれも、簡単じゃない。


・世界が救われる未来

→ だが“門”の存在は完全には消えない。戦いは続く。


・全てが消える未来

→ 人類も門も、仮面もループも、全部リセット。


・自分が管理者になる未来

→ この地獄を終わらせる代わりに、“監視する側”になる。


「……ふざけんなよ」


 ユウは小さく呟いた。


 どれも“勝ち”じゃない。


 ただの形の違う地獄だ。


「時間だ」


 もう一人のユウが言う。


 その声は静かで、感情がない。


 何百回も繰り返した末の“空洞”。


「選べ。次の管理者」


 九条が銃を構えたまま言う。


「ユウ。お前が決めろ」


 朝倉は歯を食いしばっている。


「……俺はよく分かんねぇけどよ」


「お前が選んだなら、それでいい」


 レナは何も言わない。


 ただ、ユウを見ていた。


 ユウはゆっくりと顔を上げる。


 もう一人の自分と目が合う。


「お前は……これを何回やった?」


「数えない」


 即答だった。


「数えたら壊れるから」


 ユウはそこで気づく。


 この存在は“勝者”じゃない。


 ただ壊れ続けた結果だ。


「ならさ」


 ユウは一歩前に出る。


「俺はお前みたいにはならない」


 空気が揺れる。


「どの未来もクソだ」


 ユウは拳を握る。


「だったら――」


 断片予知が走る。


 全ての未来。


 全部が一瞬で見える。


 そして、その中に一つだけ“違うもの”があった。


(これだ)


 ユウは確信する。


「俺は“選ばれない未来”を選ぶ」


 沈黙。


 もう一人のユウが目を細める。


「意味がない」


「あるよ」


 ユウは笑った。


「ループも管理も全部ぶっ壊す」


「そのために必要なのは“管理者”じゃない」


 ユウは九条を見る。


 レナを見る。


 朝倉を見る。


 神崎を見る。


「“終わらせるバカ”だ」


 その瞬間。


 ユウの中のスキルが光る。


【死者帰還・最終進化】


【条件達成】


【“ループ拒否”】


「っ……!?」


 もう一人のユウの表情が初めて崩れる。


「それは……存在しないはずの選択肢だ」


「だったら今作った」


 ユウは一歩踏み出す。


 空間が割れる。


 ルールが崩れる。


「管理者とか知らねぇ」


「ループとか知らねぇ」


「俺はただ」


 ユウは拳を握る。


「このクソみたいな仕組みを壊す」


 断片予知が最後に流れる。


 “未来が一つに収束する”


 そして――


 ユウは自分の能力を“自分ごと”発動させた。


【死者帰還・全解放】


【対象:世界構造】


 世界が白くなる。


 仮面が消える。


 門が崩れる。


 ダンジョンが砕ける。


 そして――


 全てが、リセットされるのではなく。


 “上書き”されていく。


 気づけば。


 ユウは教室の中にいた。


 五月の湿った空気。


 黒板の数式。


 スマホの通知音。


 ピコン。


 ただ一つだけ違う。


 誰も、怯えていない。


 まだ“門は開いていない”。


 九条もいない。


 レナもいない。


 朝倉も、神崎もいない。


 でも――


 ユウは静かに笑った。


「今度は……間に合う」


 窓の外。


 空が、ほんの少しだけ歪んだ。


 ――終わり。

最終話を見てくださり、ありがとうございました。もし面白かったなと思ったらブックマークと高評価してくれると嬉しいです。

また、今『無限転生した俺、最弱辺境村から“神殺し”へ至る〜継承スキルで世界最強になったので、滅びの運命を変えます〜』https://ncode.syosetu.com/n9731me/を連載中なのでよかったらぜひ見てください

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