↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
6/6

コッペパン編 ―考察―

前回のあらすじ


オリガ「コッペパンを要求します! さもなくば(水鉄砲で)撃ちます!」

善弥「……どこかで聞いたことのあるフレーズだ!!」

「普通のコッペパンを、かい?」

 善弥は早速祖父に相談すると、僅かに考える。《パン屋のゴロゴロ》ではプレーンのコッペパンは売っていないのである。というのも、何かを挟まないと売れなかった、ためである。

 その事情を知り、落ち込むオリガ。

「それにしても、なんでまたコッペパンを?」

「うぅ、今日寮のキッチンが故障してご飯は自分で調達しなくてはならなくなったのです。だから、私はお昼にコッペパンでサンドイッチにすることにしました。レタスとゆで卵、オニオンスライス、マヨネーズは準備できましたが、コッペパンを用意忘れたのです」

「それでか……」

 善弥が納得していると、工房からひょっこり祖父が現れる。と、その手にはコッペパンが……!! ご丁寧にきれいな切り目も入っている。

「オリガさんはお得意さんだからね。ほら、これもっていきな。5つぐらいでいいかい?」

「はいっ!」

 祖父はるんるんと袋に5個のコッペパンを入れると、オリガに手渡す。「お代は特別に150円!」と楽しげに言う祖父と「きゃー! マスター太っ腹です! ありがとー!」と嬉しそうなオリガのやり取りを見ていると、微笑ましく思う善弥だったが……少し視線をそらした。

(少し離れたところにあるスーパーで、6個入り168円で売っている……)

 彼の記憶が正しければ、彼女のいる寮とここの間にちょっと大きめのスーパーがある。そこで売っているのである。

「いやぁ、たまに普通のコッペパンが欲しいって人がいてね。5個入りで売ろうと考えていたんじゃよ」

 と胸を張る祖父に、善弥は少しだけ驚く。

「え? そうだったの?」

「そうじゃよ。近くの教会を拠点にしているガールスカウトからも頼まれていたんじゃよ」

 祖父から聞いた意外な話に、善弥はただただ感心するばかりであった。


 そんなやり取りから時は流れ、オリガは寮にいた。彼女はルームメイトが見ている前でコッペパンのサンドウィッチを作っていた。

「オリガ、そのコッペパンどうしたの?」

「少し離れたところにあるパン屋で買いました! ここのパン美味しいです!」

 慣れた手つきで切り目の入ったコッペパンにレタスと卵サラダを挟むオリガに対し、ルームメイトはため息を吐く。

「パン屋ってこの辺りだったら《パン屋のゴロゴロ》しかないし。ていうか、そこって洒落たのが無いからあまりいかないのよね」

「でも、ミサキ。このあいだのあんパンはとても美味しそうに食べていました。あれも《パン屋のゴロゴロ》のですよ?」

 オリガは作業をしつつそういうと、コッペパンサンドをルームメイトに突き出す。彼女はそれを受け取り齧りつくと小さくため息を吐いた。

「確かに美味しいんだけどなー。なんかこう、今どきの洒落たのが欲しいなー、なんて……」

 ルームメイトの言葉に、オリガは小さく首をかしげる。

「今どきの洒落たパン、ですか……」

 どういうものをさすのだろう、とオリガはコッペパンサンドに齧りつきながら考えるのであった。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。