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最終話・side健太.全て


初.side健太です!!







俺は

“桜羽が幸せなら”

そんな考えできなかった。



那音は、すごいな。




――――…




もう桜羽に距離を置きたいと言われてから

もうけっこう経った。


そんなある日。



「…健太っ…!!」


いきなり桜羽に呼ばれた。


「え、な…なに?」


当然びっくりする俺。



「ちょっと、こっち」


桜羽に手を引かれて、廊下へと連れ出された。


な…なんだ?



意味不明のまま俺は廊下にでた。


そこには冷たい瞳をした那音。


幼なじみの俺でも見たことのない、瞳。



「…きたんだ」


冷たい声で一言。


「…は…?え?なに?」

俺は戸惑うことしかできなかった。




「…桜羽…」


ポツリと那音が呟いた。

「…なに?」


桜羽は冷静に答えていた。





「先に言っておく。俺はもうお前の事は好きでもなんでもねーから」



那音は桜羽と視線を合わさずに、そう言った。



何言ってんだ、コイツ。

俺は無性にイライラした。



「…知ってるよ」



桜羽は那音に笑顔を向けた。


ツキン、と心臓に一本の針が刺さった。



那音は下を向いたまま。


「…健太」


そう、俺の名前を呼んだ。


「…………なに」



俺はあきらかに不機嫌だった。



「頑張れよ」


は……?


ふざけてんのかコイツ。

なにが、頑張れだ?






「ゲームだ」






「…え?」



ゲ…ゲーム…?



「ルールは簡単。俺と健太は、この校内を15分駆け回る。それを桜羽が捕まえる」



「…それで?」



「ただそれだけだ」



桜羽が…どちらかを選ぶってことか?



「そ…そんなの…」



「いいな?健太」


那音は俺に問いかけた。

俺はコクリと頷いた。


「ちょっ…」


桜羽は待ってというような顔をした。



これでいい。

これで白黒がつくなら。






「ゲーム開始だ」








俺は走り出した。


廊下をひたすらに。



「……桜羽」



桜羽は来てくれるのだろうか?



…俺の予想だと、こないな。



だって桜羽の瞳が俺に訴えてたんだ。



答えは決まってるって。



…俺なわけがない。





「……那音はいつもいいとこどりだ」


俺は走るのをやめて、地面に座り込んだ。



カッコ悪いな。俺。



…初めて人を好きになった。

初めて人を愛おしいと思った。


――大好きだ…。


いや。

もう“好き”だなんて言葉じゃたりない。



「っ…情けねぇ…」



涙がこみ上げてきた。

だけど俺は必死に我慢した。



桜羽は…こない。



今頃、那音と…。




[利用してもいい]


最初そう言って付き合った。


ただ、ただ桜羽が好きで。



転校してきた桜羽に、俺は一目惚れをした。



雰囲気がすごく優しい。


桜羽の笑顔を見ると、心臓がドキドキした。



初めての恋だった。



そして



もしかしたら

最初で最後かもしれない。




これ以上に俺は人を好きになれる気がしない。



「……桜羽…」



もう一度。


もう一度抱きしめたい。好きだって

何百回でも何千回でも言ってやりたい。


俺の全部を伝えたい。



だけど、今の桜羽にとってはそれは迷惑にすぎない。



だから俺は転校する前にだけ、気持ちを伝える決意をした。















初めて


恋をした。


初めて


大切な人を抱きしめた。


初めて


人を愛おしいと思った。


初めて


離したくないと思った。


初めて………


桜羽が全部初めてだったんだ。




そして俺は







初めて



本気で

人の幸せを願おう。









俺の全ては



桜羽だったから。






これで

君がいることの全て

は終了しました。


本当は健太が転校して、クラス替えして・・・

高校生になって、と

考えていたのですが

なんか気づいたら終わってしまいました(;_;)


しっくりこなかった方、申し訳ありません;


どうも終わりが苦手で。


最後になりましたが

今まで読んでいただき本当にありがとうございました。


感謝でいっぱいです。


感想など、入れてくれれば嬉しいです;


本当にありがとうございました(*^o^*)




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