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きゅう? 救いようのない阿呆にざまぁは必須です

お久しぶりです。この話は瑞癸ちゃんの華麗なる高校生活。のあれやこれ最新話に出てくる本郷真奈美さんのその後のお話が入ってます。よろしければ、初めてのでぇと編をどうぞ。

「もう、しんじらんなぁい! 聞いてよぉう」


 ……うちの会社にこんなおバカな話し方する人いたかしら。容姿は頑張って可愛らしくしてるようだけど、中身が残念って最近多いわね。


 少なくとも、私はここまで酷くはなかったわよ? それに演技だったわけだし。


 私、金崎が羽鳥さんの補助についてもう一年たつ。羽鳥さんの教育のおかげで、私の評価は右肩上がりだ。


「ねぇ!? ひどいとおもわなぁい!?」


 思わないわぁ。


 更衣室とはいえ、ここは会社よ? 社会人としての最低限のマナーくらいは知っていて入社したんだと思うんだけどな。


 制服がない私は、荷物を自分のデスクに置けるから、本来ここにいる必要はないけど、女子だけだと本音が聞けたり、噂話のなかに使えるネタがあったりするから、なるべく時間を作っているようにしてる。でも、さすがに朝だけで十分だわ。女の園恐ろしい。


 さて、さっき日本語を理解し難い使い方したのは、制服のリボンから総務課事務と判明。あぁ、あれがあの言葉使いが直らないせいで1日で受付を外されたっていう、ある意味有名な人ね。


 てことは、あらやだ三春さん案件ね。


 彼女、乙女ネットワークのブラックリストワースト3に入る上に、さらに他県でなにかやらかしたらしと連絡がきてて三春さんが微笑んでいたし。


 さて、逃げられる前に業務連絡しなきゃ。



 羽鳥さんに朝の話を聞いてもらうことにした。


()()必要?」


 あらまぁ、辛辣。同意見だけど。


 羽鳥さんは(実はもう三春さんなんだけど)仕事の手を休めないまま、私の話に一言返した。さすが仕事のできる女は違う。


「必要かどうかと言われればいらないですけど、人事の判断待ちですしねぇ」

「あの色ボケセクハラ能無しになにができるかと」

「毒舌ステキです」

「金崎ちゃん、資料は?」

「できてます」

「ありがと。……ん、完璧」


 わぁい、誉められた。


「人事部長については近く処分されるよ」


 三春さん、自分の仕事は……終わったんですね知ってます。そして三春さん、人事に口出ししたんですねさらっと裏情報差し込んでこないでくれます?


()()の件はもう少しかかるかな。和泉の遠縁に絡んだらしいし」


 なんとも残念な勇者だこと。あぁ、それで乙女ネットワークに繋ぐことができたのか。あれ、基本的に女性しか入れないもの。


 今回、残念な勇者は3人で、他県のアミューズメントパークに一狩り行ったところ、彼女持ちの超イケメンに絡み、イケメンが和泉に繋ぎを取り乙女ネットワークに照会。ブラックリストにのってる彼女を見つけ、うちに処分を依頼。和泉の若き女性社長からもよろしく(意訳)されてるので、三春さんに話が回ってきたのだ。


「てか、アラサーが大学生に絡むって、どんだけ自分(リアル)見えてないの? しかも彼女持ちだったんでしょ? バカなの?」

「バカなんでしょうねぇ。最初から勝ちの見えない勝負をするくらいだから」


 羽鳥さんのディスりに、私が返すと三春さんが笑った。怖い。


「怖いもの知らずと無謀は一緒じゃないんだよ」


 あ、サクッとヤるんですねわかりました。




 昼休みの食堂。彼女はまだ朝と同じ愚痴を言い続けていた。


「本郷真奈美さん?」


 そこに笑顔で声をかける超イケメン(ただし優しさは愛妻限定)三春さん。わかっててやってますね腹黒ですね真っ黒ですね知ってますけど。


「きゃあ! 三春さぁん! どぉしたぁんでぇすかぁ?」


 今時子供でもこんな話し方しないわよね。あぁ、美味しいランチ食べたい。こんなアホな茶番劇につきあいたくない。


 じゃぁなぜお供してるのか? 社内調査部の先輩、てか部長なのよ、三春さん。二足のわらじなんて、どんだけできる男なのかしらこの人。


「今日は本郷さんに渡すものがあってね」

「えぇえ、なんだろぉ?」


 いちいち「きゃっ」とかやってるけど、三春さん見てないわよ。てか周りも真っ青なほど三春さんの回りの空気がは冷え込んでるのに、気づかないってどんだけー。


「(拒否権無しの)お見合い写真と釣書。好きなの選んでね」


 お相手の選定は田崎グループの某兄弟。兄弟曰く、見合い相手の彼等は(ある意味)とっても素敵な方々だが、女性に縁がないとかで紹介を頼まれてたそうだ。


 釣書を見た羽鳥さんが爆笑してお腹を押さえてたので、お似合いなんだろうなぁ。私も見せてもらったけど、どこから見つけてきたのかと思うほど、3人とも素敵(意訳)な人達だったわ。


 チビデブハゲ(内ひとりに水虫疑惑、ひとりに腋臭の疑い有り)の三十苦なんて、そうそう転がってはいないと思うし。


「え、みは、え?」

「和泉の若社長からも君達のことは任されているからね。先月のツケを払ってもらおうか」


 よほどその婚約者持ちのイケメンを怒らせたのだろうなぁ、話を聞いた三春さんがざまぁ代行を受けたほどだもの。


 3人で、3枚の見合い写真。どれを選んでも地獄行き。でも人助けだと思えば胸も痛まない。この人、善良な幼なじみ(ややイケメンより)をキープして婚活を繰り返してたようだし。合コンに誘われることがなくなって、いよいよキープくんと、と考えてたところだったのは調査済み。


 キープくんには事情を説明という名の根回しをした。同情から助けたりしたら彼が危ないからね。「やっぱり」と呟いて、キープくんは三春さんの提案を受けて和泉に転職、即海外勤務へ旅立った。優秀な人なのよね、あんなのにはもったいないわ。



 さて、3人娘は取っ組み合いの大喧嘩をして(意味ないと思うけど)嫁いで行った。逃げようとしたみたいだけど、根回し済みなので誰も助けてくれなかったみたい。人望もないのね。


 早速地獄らしいけど、自業自得でしかないし、旦那様を好きになれるよう祈っておこう。


 こっちは三春さんと羽鳥さんの披露宴の日取りが発表されて別の阿鼻叫喚な世界なものだから、正直どうでもいいしさぁ。


 海外挙式にも招待されたウキウキな私は知らない。その海外で私の出会いが待ってるなんてことは。



琴子さんでもなく、勝俣女史でもなく、今回の暗躍は田崎兄弟と和泉の若社長でした。若社長についてはお話があるのですが、昔書いた話なのでほぼ一から書き直しになるかと。なので、あちこち出てくることにはなりますが、そんな感じで流してください(笑)

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