怪鳥vs犬達
大きな鳥というより怪鳥は、尖った鉤爪で猛スピードで襲いかかってくる。ギリギリで回避し迫って来る雑魚を、ストーンバレッツで処理した。
怪鳥に向かってファイアーボムを放とうとすると、黒い羽が複数飛んで来た。避けきれず直撃し、障壁にダメージが入る。
(そろそろ耐久ヤバいかも……)
悪い予想は当たり、鉤爪が擦れた拍子に割れてしまった。直ぐに貼り直し、立て直す。ファイアーボムを撃つと少し怪鳥が怯んだ。
雑魚の方もたまに突っ込んでくるので対処しつつ、怪鳥を睨みつける。途中で試してみたら、ストーンバレッツで羽を撃ち落とせることが分かったから少し被弾は減った。
MPがそこそこ減ってきたものの、怪鳥も体から煙が出て弱ってきているように見える。するといきなり、怪鳥が口から石を吐きかけてきた。
真横の地面が少しだけ窪んでいるのを見るに、当たったら不味そうだ。鈍い足を必死に動かしながら、二発目を避ける。砕けた石の破片に当たったけど、幸い直撃はしなかった。
止まって撃ち続ける暇がないせいか、体力が切れてきた。急いで携帯食料を食べながらファイアーボムでダメージを与える。
今のが効いたのか地上に落ちてきた。
「カァー……カァ……!」
「《ファイアーボム》」
「ガァ?!」
怪鳥が塵になって消えたのを見て、雑魚の鳥も逃げていった。だいぶ危なかった……。
MPが切れそうなので目的地に急ぐ。少し歩いたら直ぐに着き、扉をノックするとお爺さんが出て来る。
「儂に何か用かの?」
「荷物届けに来ました」
「うむ……状態は良好じゃの。もし機会があったら調合屋の婆さんに手紙を届けてくれないかの?」
「分かりました」
「報酬はこれじゃの、気をつけて帰るんじゃぞ」
低級麻痺薬二個とお金と手紙を貰い街に戻る。調合屋の婆さんと言うのは多分、私がよく行ってる所のお婆さんだろう。
行きとは異なり何事もなく街に着き、屋台に寄り道しつつも調合屋へ向かう。着いてすぐ、私は手紙を渡した。
「ありがとね、これはお礼だよ」
「あのお爺さん知り合い?」
「大昔に結婚してるだけさ、今は別居してるけどね」
そういうことだったらしい。昼メシを食べるため一旦ログアウト、し軽めのもので済ませる。そこでお菓子がなくなってることに気づいたため、コンビニへと買いに行くことにした。距離は近いから歩いていく。
目当ての物を買い、外に出た瞬間私に向かって手を振っている人が居た。眼鏡をかけるとそれは後輩だった。
「先輩、こんにちは!」
「こんにちは」
「先輩ポテチ好きですねー、飽きないんですか?太りますよ?」
「うるさい」
「冗談ですよ。それで先輩ってFFOってやってるんですかー?」
「やってるけど何……?」
「私もやってるから一緒に……って待ってください!」
「一人でプレイするから」
「一緒にプレイした方が楽しいですよ! 行かないでくださいー!」
私の腕を掴んでくるのは大学の後輩だった桜坂実里、何故か私に着いて来るから少し困っているのだが、なによりその理由に問題があった。
「先輩! 何度も告白してるんだしいい加減落ちてください!」
そう、私のことが好きなのだ。そのせいで会う度にこういうことになっている。その後、何とか振り切り帰宅した。 疲れた……。
読んで頂きありがとうございます!
感想で魔法にクールタイムがないの?という指摘がありますがいれた方が良いですか?
スキルの【対包囲戦法】が抜けてたことを教えてくれた方、ありがとうございます!