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掘
「ミケ、本当にいいのか?何が出てくるかわからないぞ」
「にゃ」
「ミケがいいなら、いいけどさ」
俺は、そういいながら土を掘る。掘り進めてしばらくたち、土の匂いが変わってきた。そして、土の中から黒いビニールが、掘り出された。中から、猫の鳴き声が聞こえてきた。
「ミケ、これって………」
後ろに人の気配。振り返ると、待っているはずの女性がいた。何故、こんな所にいるのだろう。
「見たのね」
女性が微笑みながら言う。その声に反応して、ミケが肩で怯えている。
「あら、まだ動いてるのね?」
「この中に入ってるのは……」
「ええ、そうよ。白い猫が、はいっているの」
猫がこの中にいるのか。だが、ビニール越しに伝わるこの感触は……。