第15話:ゴブリン三人娘
俺は"立ちんぼフィールドワーク"にやってきた。
「いやー、もうね。懐かしいよね!ほんと最高だぜ!」
と、ひとりブツブツ言いながら歩いてみた。
実際は金がないから全然最高じゃない。
金もないのに売春ロードを歩くのは、謂わば冷やかしだ。
しかし、俺には崇高な目的があった。
下世話な連中とは断じて違うのだと声を上げたい。
そうだ、市場調査である!
ーー
俺はさっそく、固定客の一人を見つけた。
ゴブリン3人娘の一人、ラトリアだ。
ラトリアは、競合の安いローションの販売後も、律儀に毎日1本買ってくれていた。
何より、おっぱいを触らせてくれた大恩がある。
- 彼女が3人娘の中で一番稼いでいるはず!
そういって、俺の五感が全身全霊で叫ぶ。
いや、五感なぞなくとも論理的な帰結である。
乳がデカくて、あざとくて、乳がデカいのだから売れているに決まっている。
はい!証明完了!
「よ!ラトリア」
「あ、由太さん!」
「調子はどうだ?」
「全然だめですよ~、由太さんが遊んでください♡」
ははーん。さては、この子が女神だな。
きっと宮殿であった性悪女は女神ではないのだ。
女神とは地位ではなく、心根である。
あれ?もしかして俺、めっちゃ良いこと言った?
「で、何かご用ですか?」
笑顔でもビジネスモードだ。切り替えが早い。
客でなく商売相手として扱ってくれるのはありがたい。
やはり、この子は賢いな。
「ローションの改善に協力してほしいんだ」
「ロー…?なんですか?」
「あれだよ。竹筒のやつ」
「あー、ヌルヌルね!」
ヌルヌル…その呼び名は最悪だな。
だが、商品として浸透しているのは良いぞ。
「"もっとこうだったら良いな"って、思うところはあるか?」
「安くなったらいいかな!」
「…」
「んー、もっと安ければ、全部お兄さんのところの使うんですけどね~」
「…すまないが値段は下げれないんだ」
「そうですよね。お兄さんの方のは安物じゃないってわかるし」
ラトリアは、うちのローションの価値を理解している。
だが、そうなると疑問が湧いてくる。
「1本だと一日分には足りないよな?どうしてるの?」
「私は安いヌルヌルと混ぜて使ってるんです」
その発想は目からウロコだった。
他社製品と混ぜるとは、この子は発明王か?
「混ぜるといい感じなのか?」
「少しは質が落ちるけど、直ぐに洗い流せば」
「洗い流す?」
「そう。一回遊んでもらったらお湯で流すの」
「お湯はどうしてるの?」
「私は置屋を使わせてもらっているから」
ちょっと待ってくれ。情報が多すぎる。
どういうことなのだろうか?
「そもそも君たちは、お客さんとどこで何をするんだ?」
「えー、お兄さんのエッチー♡」
「いや、そうじゃなくて」
「冗談ですよ~」
お転婆娘め…
「私は、お客さんと遊ぶときは置屋を借りるんです。毎回体を洗うのは大変だから、お湯があるところが良いじゃないですか?その時は置屋の利用料はお客さんに払ってもらいますけどね」
なるほど、"ホテル代は別"ということか。
「置屋の利用料は?」
「相場は50万ポニカですね」
「ホ込2ってことか」
「ホコミニ?」
※読者諸君は当然承知かと思うが『ホテル代込み2万円』の略である
「置屋を使わない子はどうする?」
「そこでやりますよ」
「そこ?」
ラトリアは森の中を指さしていた。
つまり…青姦スタイルだな。
※読者諸君は当然承知かと思うが『立ちんぼとの青姦』は欧州では今も多い
「ちょっと覗いてみます?」
「え?」
「いま、ちょうどデヴィがやってますから」
「え!?まじ?」
「まじまじですよ」
市場調査のはずが、既にエロいことしか考えられなくなっていた。
だが、俺は紳士である。出歯亀なんてみすぼらしい真似はしない。
ー なめられてたまるか!
んー、でも、見たい…
そんな葛藤を抱えているうちに、森から女性が出てくる。
紫の髪、切れ長の目のゴブリン娘だ。
「デヴィ、お疲れさま」
「おつ」
「やあ、デヴィ」
「…っす」
デヴィはシャイなところがある。
ラトリアにローションを売るときに何度か会っているが、あまり俺とは話してくれない。
恐らく、一人では客を取るのが難しいので、ラトリアと一緒にいるのだろう。
「川行ってくる」
「一緒に行こうか?」
「うん」
「由太さんも一緒に来きます?」
カワとは何だ?包茎の俺への当てつけだろうか?
まあ、包茎と言っても仮性だがな。
そこは譲れん。絶対に譲れないんだからね!
だが、彼女たちには知る由もないこと。
つまり、俺の余った皮とは別の話だ。
「分からんが行くよ」
「じゃあ行こっか」
「…」
デヴィはムスッとしている。
怒っているのだろうか?不安になる…
俺たちが森に向かって歩き出すと、後ろから誰かの叫ぶ声が聞こえた。
「ちょっと待ってー!!!」
振返ると、そこには最後の3人娘がいた
「あ、チェルシー」
「どっか行くの?川?」
「うん。デヴィが洗いに」
「あたしも行く!」
「チェルシー…今来たばかりじゃ」
「いいの!行くの!」
チェルシーの特徴は大きな丸い目と弾ける笑み。
なあ?誰が見たって一目瞭然だろ?
彼女こそ、ゴブリン界の元気っこ代表である。
「やっほ!お兄さん!」
「おう」
「お兄さんも川行くの?」
「まあ、勉強にな」
「川で勉強?」
「なんでもない。気にするな」
「そっか!じゃあ気にしない!」
こうやって3人揃うとバランスが良い。
ラトリアは、面倒見の良い長女。
デヴィは、シャイで口下手な次女。
チェルシーは、元気な末っ子。
家族ではなさそうだが、仲良し三姉妹だ。
こうして、俺たちは川へ移動することになった。
俺は引き続き、その道中もヒアリングをさせてもらうのだった。




