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はじまり(ルーク視点)
君と二人で歩く夜は、必ず何かが起こる。いや――、起こしたくなる、の方が正しいかもしれない。
君と過ごす日々は、穏やかで、温かくて、少しだけ真面目すぎる。何も起こらないまま、きちんと過ぎていく時間。それはそれで尊いけれど、どこか物足りない。
だから僕は、時々、少しだけ意地悪をしたくなる。君が困る顔も、怒る顔も、戸惑う仕草も――全部、見逃したくない。ひとつ残らず受け止めて、記録している。これは僕の“日誌”だ。祖国の星へと送る報告書でもある。いつか、君が帰るその日に。全部まとめて、見せてあげようと思っている。
覚えているだろうか。君と、夢の話をした夜を。いつか一緒に夢を見たいと、そう言ったあの日のことを。――あれはもう、叶っている。この地球で、君と見ているものは、夢じゃない。現実だ。
七夕の彦星――アルタイルより。
永山紫乙へ。
特上の体験を贈るために、僕はここに来た。
ルーク・ランズクリイム・ヴェイルより通達。
――任務を遂行せよ。
さあ。パーティーの始まりだ。




