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醒眼族の異世界学園覚醒譚  作者: 天御夜 釉
第1部、第2章 美少女2人に挟まれて、幸せだけれども少し…刺激が強すぎる生活を送っております。
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ジル・エレクトール

「…ラン君、最近闘技場に行ってばっかりだね…。」


 リンセルアンセル両方・・と付き合うことになってから早2週間。

 俺は…、闘技場にいた。


「…学園、楽しくないの?」

「そんなことはないよ。…充実もしてる。」


 アンセルが、少し心配そうな顔でこちらを見つめてきた。

 今までとは打って変わって、感情を出せるようにはなってきたし同時に、冷たい感じがする雰囲気も徐々に暖かくなってきた気がする。

 サイコル…の特徴ェ…。

 罵られたいって、思ったことはないけどね!


「…でも、自由授業は全部魔法訓練と身体訓練に当ててるし…。」

「俺が二人を守るんだよ。」


 アンセルの目をしっかりと見つめる。

 彼女の目に、不安の揺らぎがあった。


「…二人とも、大好きだからな。」


 …闘技場なら金も入るし。

 結局、生きていくためには金が必要だ。


「…このごろ、おかんの調子がおかしい。」


 おかんって…。

 ウスギリか。

 …確かになぁ。


「…まあ、苦労人だし。」

「おい、ロキアス! 次の試合お前だぞ!」

「…ん、ああ! アンセルごめん、今日はこれで最後にするから。」


 アンセルが俺の腕をそっとなでる。


「気をつけて。」

「ああ。」










 勝っちゃいました。

 ダメなんだよ。

 絶対相手が「ウェイカーだから魔法使えないだろう」っていう判断でくるから…。

 武器を生成した時点で既にあいては戸惑う。

 噂に聞いていても、なかなか対策はとれないのかね。

 その場合、だいたい負けるのは相手がフライドかサイコルの時だけ。


「…お疲れさま。」

「ああ、ありがとう。」


 アンセルがタオルを持ってきてくれた。

 それを手にとって、彼女に話しかけた。


「…今からどっか、行くか?」

「…うん、お願いします。」


 …よよ?

 なんで敬語?





------------------------------------




「…アンセルって…、何か好きなものあるのか?」

「…本が好き。…あとラン君が好き。」


 俺はものか。…うれしいけどさ!

 …でも、…ああ、具体的にって事ね。


「たとえば…好きな花とか、そういうの。」

「…好きな花は…アイスドロップが好き。」


 アイスドロップ…。

 聞きなれない花だな。

 今度、探しに行くか。


「誕生日は?」

「…神様の聖誕祭…。」

「…それ、いつ?」


 この世界には、属性ごとに神様が居て、聖誕祭というものを祝うらしい。

 …俺には理解できん。

 クリスマスみたいな奴かな?

 …去年はリンと一緒にいたけど、あまり特別なことはしていなかった。


「…9月24日…。」


 …ああ。はい。

 この世界は暦で季節がはっきりし過ぎている。

 9ヶ月周期だから、確実に9月は冬だ。真冬だ。

 何度もいう、この世界に秋は存在しない。


「ありっ? アンセルとランじゃん?」

「…ウスギリか。…お隣さんは?」


 ウスギリが…男と歩いていた。

 鷲みたいな翼が生えている。

 フライドか。


「ああ、ジル・エレクトールだよ。…俺の幼なじみだ。」

「初めまして。」


 …なんていうか、うん。

 礼儀正しい。

 顔は…傷。

 頬に『メ』みたいな感じの傷。


「…ああ、これですか。…これは暴漢に絡まれたときに付いた傷ですよ。大振りのナイフで切られましてね。」


 なるほど。

 …まあ、物騒なんだろうな…。

 アンセル、頼むから無表情で顔をそっちに向けるな!


「…ところで、アンセリツティア嬢と、貴方…ラン・ロキアスが交際をしているというのは事実ですか?」


 はい、爆弾きましたー。

 俺は気にしないけどね!


「ああ、リンセルとも付き合ってる。」

「…それは、双方に了承を得て、ですか?」


 うん。やはり顔色が変わるか。

 こんなに人気があるのか、アンセル…リンセル…。


「もちろんだ。…本人に聞けば?」

「…まあ、それが正論でしょうね。」


 エレクトールはうなずき、アンセルに話しかけようとして…失敗した。


「…う、美しくて正視できない…。」


 どれだけ美人なんだよアンセル!

 アンセル本人は、引いたような目でエレクトールを見つめていた。


「…そんなにかぁ?」

「…ウスギリも普通に話をしているのが驚きです。」


 俺はお前が驚きだ。

 どんな目してるんだ。

 ああ、傷のせいかそうかそうか。


「む、傷のせいではないですよ。失礼な。」

「俺って、顔に出やすいタイプ?」


 洞察力たっか。


「…そんなの、承認を得てるに決まってるじゃない。」


 アンセルが不機嫌そうに呟いた。

 それを見て慌て出すエレクトール。

 …端から見ると、凄く愉快である。


「…まあ、これからよろしく、エレクトール。」

ジル・・、でお願いします。」


 鬼気迫る顔で強調された。


「…ああ、ジルは名字を好まないんだ。」

「ということです。ジル・・で。」

「ああ分かった分かった。」


 うっさいな。

 イチイチ強調するなよ、チミィ。


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