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醒眼族の異世界学園覚醒譚  作者: 天御夜 釉
第1部、第2章 美少女2人に挟まれて、幸せだけれども少し…刺激が強すぎる生活を送っております。
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約束

 へえ、人工魔力って、つまりは前の世界の「発電」で作られるものなのかー。

 やっぱり本は必要だね。

 …人工魔力について表面上でよかったのに、専門書を買わないといけないなんて予想してなかったけど。

 何ページあるんだこの本。

 いや…何センチあるんだこの本。

 リンに辞書を借りればよかったなと思いつつ。


 ん、ドアをたたく声が聞こえる。


「アンセル?」


 部屋に入ってきたのはアンセルだった。

 いつも通り無表情…ではなかった。

 悲しそうな顔をして、俺を見つめてくる。


「…ラン君は、リンセルと付き合っていたりしないの…?」

「…いきなり何を聞き出そうとしているんだ。」


 一気に脱力し、そのあとにアンセルを見つめる。

 …今日はいつもの冷たい感じが一切ない。

 …ずっとそのままで居てくれよ。頼むから。


「…心配しなくても、まだ付き合ってないから。」

「…ホント…?」


 頷くと、アンセルは…。

 俺をベッドに押し倒した。


「アンセル!?」

「…落ち着いて。」


 気持ちよくしてあげるから、とアンセルは妖艶に笑った。


「リュー君…。」

「…ずっと思ってたけどさ、リューって誰?」


 うん、ずっと考えてた。

 彼氏…だろうなって。

 なのに、こんな事していていいのかよと。


「…聞きたいの?」

「…ああ。」


 アンセルが俺を引き起こす。

 妖艶に笑っていた顔は一変、泣きそうな顔になっている。


「…リュー君はね…?」

「お姉ちゃんも、やってること変わらないじゃん。」


 突然、ドアが開いた。

 リンセル…いつのまに。

 …パジャマ姿も天使です。

 しかし…ずっと聞いてたのか?


「…リンセルにも関係のあることだから、黙ってて。」

「リュー君の事? …何回も言うけど、ラン君はリュー君じゃない…!」


 何ともいえない感情を、リンセルは全身で露わそうとしていた。

 正直言って、怖い。


 俺に許可を取り、彼女はアンセルの反対側に座る。

 …話が終わったら二人とも可愛がってやろう!

 付き合っていないけどな!


「…大丈夫よ。…もう分かってる。」

「……あのー。そろそろ…。」

「…あら、ごめんなさい。」


 アンセルが息を吐く。

 少したってから、アンセルは意を決したように呟いた。


「…リュー君…、リュー・ウルガは貴方に出会うまで私たちの一番大切だった・・・人よ。」


 だった?

 …だったってなんだ?

 …俺に乗り換えたっていう話じゃなさそうだしな。

 リンセルが俺の手を握って、話し始める。


「リュー君はウェイカーで、…とてもかっこよくて、とっても優しくて…とっても強かった。」


 ベタ褒めじゃないですかー!

 …俺が勝てる訳ないじゃん。

 いくらスロツにチート(?)にしてもらったとは言え、条件付きだもんな…。


「で…、私たち姉妹は殆ど同時期に、リュー君を好きになった。」

「ちょうど、今のラン君みたいな状況に陥っちゃったね…。」


 迷惑かけてごめんなさい、とリンセルは頭を下げる。

 アンセルは、そんなリンセルを悲しげに見つめながら言葉を続けた。


「彼は…親からのプレッシャーに負けて私を選んだ。…というより、リンセルが引いてくれたのかな?」


 リンセルが頷く。

 ついには俺にしがみつく形となった。


「でも…嫉妬したほかのウェイカーに、殺されたよ…。……いくら強いにしても…、50人に襲いかかられたら勝てないね…。」


 …うぉい!

 まあ、俺は構わんがな。


「俺は、二人を選びたいけど。」


 そういうと、二人は一瞬輝くような目線を俺に。

 しかし、すぐに慌てる。

 とくにリンセルが。


「いいの? …プレッシャーに勝てる?」

「…そのときはそのときだと思うがね。…二人は心配するなよな。」


 俺は【卓越者ゼニス】だから…は理由にならないか。

 でも、女の子を守るのは…、義務だと思うんだ。

 格好つけた訳じゃない。

 でも…大好きな幼なじみ一人、前の世界では救えなかったから。


「…二人とも、大好きだよ。」

「……。」

「……。」


 リンセルもアンセルも黙り込む。

 …すこしして、二人が真っ赤になった。

 …そういうところだ。

 本当に可愛いと思えるところ。

 全部、全部。

 守りたくなる。

 好きだって何度も伝えたくなる。


「でも…いくつか守ってほしいところがあるんだ。」

「「…?」」


 さすが双子。

 両方同時に小首を傾げるとか…。

 ぐへへ…おっと失敬ゲフンゲフン。


「一つ目、…姉妹でもう争わないこと。…俺にとって、上も下もないから。」


 リンセルがアンセルを見つめ、アンセルがリンセルを見つめる。

 そして、両方が恥ずかしそうに下を向いた。


「二つ目、何かあったらすぐに言うこと。…心配するから、な?」


 二人が頷くのをみて、本当に俺って幸せだな、と思う。


「最後。…俺はこの世界のことをまだよく分からない。…俺は【卓越者ゼニス】であるとともに、転生者でもあるんだ。…これは内密にしてほしい。」

「ふへぇ?」

「…ん?」


 あ、これには二人とも意外に思ったか。

 そりゃあそうか。


「…リュー君と一緒…。」

「お姉ちゃんっ! それはもう言わない約束!」

「あ…。」


 …リュー・ウルガって、俺の前世だったりするのかな。

 …最近はスロツも出てこないし。


「ということだ。」

「…はい。」

「うん!」






 はい、二人の美少女を手に入れちゃいました。

 …ハーレムじゃないぞ?












 この出来事が、彼女たちと出会ってから1ヶ月半後くらいの…話だった。


これで第2章は終わりです。

次回から第3章です。


また、彼らの学園生活をお楽しみいただければ嬉しいです。


ありがとうございました!

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