私、天才トランポリン少女よ。
私、天才トランポリン少女よ。
どんなものでも、トランポリンにしてしまえるの。
普通の道でも、ピョーン、ピョーン。
家の塀でも、ピョーン、ピョーン。
人の頭だって、ピョーン。
「コラー!わしの頭でトランポリンするやつは、誰だー!」
てへっ、怒られちゃった。
ある朝、私は学校に向かっていたの。
路地をトランポリンにしながら、ね。
ピョーン、ピョーン。
おや?
あの、いかり肩の、太っちょの、おにぎり頭は、クラスのガキ大将だわ。
あいつ、いつも私にちょっかいかけてくるのよ。
やんなっちゃうわ。
「やい、天才トランポリン少女!今日こそお前を捕まえて、ギッタンバッコンにしてやるぞ」
「あっかんべえ〜、だ。やれるもんなら、やってみなさいよ」
大きく飛び上がって。
ピョーン、ピョーン。
えい!
「フンギャ!」
おにぎり頭を踏んづけてやったわ。
ついでに空中で一回転。
ヒラリと向こう側に降り立った。
「し、白だ……」
鼻血ブー。
「きゃー、エッチ!」
あいつ、私のパンツ見たわね。
きいーっ。
悔しいーっ。
学校に着いてからのことよ。
授業中、私はぼんやりと窓の外を眺めていた。
「……で、あるからして、x=y。xという字は、左側と右側が支え合って、xなのである」
はあー。
学校の勉強って、どうしてこう退屈なのかしら。
それに、難しい。
ここ、本当に小学校かしら?
先生の言うことが、さっぱりわからないのよ。
あーあ。
いいお天気。
あのビルのてっぺんでトランポリンしたら、気持ちいいだろうなあ。
「こら、天才トランポリン少女。よそ見をするんじゃない」
ううー。
先生に怒られちゃった。
もう、嫌だわ。
こんなところなんて、抜け出してやる。
私、天才トランポリン少女なのよ!
私はすっくと立ち上がった。
「あ、どうした、天才トランポリン少女」
先生は慌てた。
でも、ピョーン、ピョーン。
悪いけど、クラスメイトの机をトランポリンにさせてもらうわ。
そのまま窓のところまで行って、窓を開けて、窓枠に腰掛けて教室の中を見てやったわ。
「何をする、危ないじゃないか。戻ってきなさい」
「ウフフ。みんな、さようなら」
バッ。
ヒラリと窓から飛び降りたの!
でも、もちろん平気よ。
校庭をトランポリンにして、隣のビルまで高々と飛び上がるのだわ。
「それっ、ジャーンプ!」
ビヨーン!
クルッと一回転。
着地成功!
みんなは大騒ぎね。
「あーっ、天才トランポリン少女!」
「し、白だ……」
鼻血ブー。
「いやん、エッチ!みんな、パンツ見ないでぇーっ」
でも、ピョーン、ピョーン。
トランポリンは止まらない。
私はビルからビルへと、渡っていったわ。




