第ニ十話「いよいよ来る税金! 知らないと損する“出口戦略”」──老後、どう取り崩す?iDeCo、 NISA、特定口座、年金、税金……出口で損しないコツを森本が学ぶ。
「うおおおお……!」
森本は、いつものカフェで頭を抱えていた。ノートPCの前には分厚い冊子、『資産形成の出口戦略 完全ガイド2025』が開かれている。その表紙には、禍々しくも神々しい光を放つ“税金”の文字が躍っていた。
「なんでこんな複雑なんだよ、税金って……!」
ドリンクバーで紅茶を汲んでいたカレンが、ちらりと彼の様子を見て呟いた。
「今さら? 投資は“入り口”じゃなくて“出口”で差がつくのに」
「いや、わかってるけどさ……。NISAは新制度になって非課税期間が無期限になったのに、iDeCoは60歳以降にしか引き出せないし、年金もあって……どこから取り崩せば正解なんだよ!」
「ふふ、森本くん。君、まるで一度に全部の蛇口をひねって浴びようとしてるみたいね」
「……?」
カレンは自分のタブレットを開き、画面を森本に見せる。そこには、資産の“取り崩し順序”を表したグラフが映っていた。
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■ 出口戦略の基本:どこからお金を取り崩すべき?
カレンの講義がはじまる。
「まず、税金をできるだけ繰り延べるのが基本よ。だから、1. 特定口座(課税口座)から先に使って、次に2. 新NISA(非課税)、最後に**3. iDeCo(課税だけど控除がある)**がセオリー。」
「なるほど、非課税な資産は最後まで温存すれば、複利の恩恵が最大限受けられるってわけか」
「その通り。そして、iDeCoは“退職所得控除”や“年金控除”を活用しなきゃもったいない」
「退職所得控除……年金控除……聞くだけで眠くなるな」
「森本くんの老後が“税金地獄”にならないよう、今日はしっかり勉強しましょう」
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■ 森本の妄想:課税の大波
──未来の森本、68歳。
「年金が13万。うん、足りない。よし、今月はiDeCoから6万円引き出そう──って、税金引かれてる!? なぜだぁあああ!」
唐突に現れた税務署員(ロボット風)が無機質に告げる。
「課税対象デス。源泉徴収シマス」
「オレの金だぞ! 若い頃の血と汗の結晶だぞおおおお!」
税務ロボは微動だにせず、容赦なく徴収を行う。
──そして森本は涙目でカレンに電話する。
「カレン……どうして、どうしてこんなことに……」
『だから言ったでしょ。出口戦略って大事なのよ』
「うわあああああああん!!!」
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■ 賢い出口戦略の実例
カレンは、ホワイトボード代わりのタブレットに図を書きながら続けた。
1. まずは「生活費」部分を、特定口座で得た利益から引き出す。
2. NISAは非課税だから、株価が大きく伸びた時に使うと税金ゼロで取り崩せる。
3. iDeCoは年金扱いになるから、年金控除を意識して、少しずつ受け取るのが得。
「しかもね、iDeCoは一時金で受け取ると“退職所得控除”が適用される。でも、会社の退職金と重なると控除枠を食い合うの。だから時期をずらすのがポイント」
「マジか……そんな罠があるとは……!」
「それに、年金と合わせて課税所得を抑えれば、社会保険料も安くなるわよ」
「社会保険料!? もう勘弁してくれぇ!」
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■ カレンの名言:出口戦略は“逆算”の発想
「人生はマラソン。でも投資は逆走ゲームよ。ゴールを見てから、スタート地点を決めるの」
「……名言っぽい!」
「フリードリヒ・ハイエクはこう言ったの。“誰かに任せてはいけない。あなたの自由は、あなた自身が守るべきものだ”」
「なんで急に自由の話?」
「お金の自由は、税金知識が守るの。老後こそ、自由を守る最前線よ」
森本はその言葉を胸に刻んだ──脳の片隅にある“出口戦略”という未解決パズルに、ようやく光が差した気がした。
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