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清楚系ヤンデレと天使な小悪魔と  作者: みゃゆ
一年 夏休み 後半
37/87

第三十七話 こんなことが起こるのは物語の主人公だけだ

累計PV10000突破\(^o^)/

書き始めて二週間で突破するとは思わなかったです。

まだ更新はされていませんが、ユニークも2000に届きます\(^o^)/

皆様ありがとうございます!

これからも頑張って書き続けるので、読んでくれた方はぜひぜひ評価してください!

感想・レビューもどしどしお待ちしております!

 朝目が覚めると桜はいなかった。先に起きて朝食を作ってくれているのだろうか。体を起こし背伸びをする。ずっと桜を上に乗せたままだったがぜんぜん重くなかったから痛む場所はない。浴衣のままで寝たけど案外問題なかった。


 桜の部屋から出てリビングに行くが桜の姿が見えない。台所でしゃがんでいるのかと思い見てみるがいない。トイレかな? とりあえず顔を洗おう。


 洗面台は脱衣所のところにあったはずだ。俺は脱衣場に足を向け歩き出す。そういえばお兄さんはまだ帰ってきていないのかな? ブレイクダンスの話をいろいろと聞きたかったんだけどな。


 脱衣所の扉が閉まっていたので取っ手を手に取り開けると桜がいた。全裸で。タオルで頭を拭いている。うん、小柄だが細身で無駄な肉はついていない。そしていいおっぱいだ。


「あら、遼。大胆ね」


「すいませんでしたー!」


 全力で扉を閉める。扉を壊す勢いだ。これってあれだよね? ラッキースケベってやつ? 藍とは姉さんの下着姿とかはよく見るけど桜はそうじゃない。好きな子の生まれたままの姿を見てしまった。あ、なんか嬉しいかも。こんなことが起きるのは物語の主人公だけだと思っていたよ。いや待てよ、考え方を変えると俺の人生という物語の主人公は俺か!? 俺って主人公だったんだ!あぁいいもの見れた。


「遼ーもっと見てもいいのよー。なんなら遼の裸も見せてよー」


 扉の向こうで淫魔が俺を呼んでいるがそんな誘惑には惑わされないぞ。入ったら食われる。それもありだが今はだめだ。もっと見たいけどとりあえず着替えて出てくるのを待とう。


「俺はリビングで待っているからゆっくり着替えてから出てきてね!」


 リビングに行きソファに座る。女の子の全裸なんてなかなか見れないから脳内再生リピートオンにして待っていよう。


「遼ー、逃げるなんてひどいじゃなーい♪」


 桜がリビングにやってきた。全裸で。せめてタオルで隠してくれてたらよかったがタオルすらなくなっている。やっぱりいい体している。いやいや、このままではまずいよ。逃げるのがだめなら作戦変更だ。


「とりあえずお前は服を着ろ!」


「遼が着ているそれを私に着せればいいじゃない?」


「お前それ狙っているだろ!? 俺がパンツ一丁になったところ狙っているだろ!?」


 そんなやり取りの中、俺の目は桜の全裸をばっちりと捉えている。これが作戦。あえて目をそらさない。普通の主人公は全裸の女の子を前にしたらだいたいが目をそらして極力見ないようにするだろう。だが俺は全力でこの目に焼き付ける!そこら辺の主人公とは訳が違うぜ!とは言ってみるが実際は俺が恥ずかしがると桜がおもしろがってやめないと思うからせめてもの抵抗だ。あくまで抵抗だ。誰が何を言っても俺は今抵抗しているのだ。


「りょ遼。ちょっと見すぎ」


 意外と効果があったようだ。もう少し追い討ちをかけてみるか。


「もっと見ていいと言ってたからだ。恥ずかしいなら服を着たらいいよ。俺は桜のきれいな全裸を目に焼き付けたあと家に帰って――」


「わかった! 着る! 着るから!」


 あんだけエッチしようとか言ってた割にはおかずにされるのは嫌なのか。ふぅ、ごちそうさまでした。


 ―――――――――――――――――――――


「遼の変態、スケベ、ヘタレ」


 服を着て戻ってきた桜が最初に発したのは俺に対する暴言だった。ちょっと拗ねたところがかわいい。


「自分でもっと見てって言って恥ずかしがるのはどうかと思うぞ」


 俺もすごく恥ずかしかった。でもそれを悟られたら間違いなく桜はヒートアップして俺では止められなくなっていたはずだ。


「恥ずかしがっている遼で遊ぶつもりだったのよ」


 ほう、俺の予想は当たっていたようだ。最初からこの子は俺をからかってばかりだったからな。最近は行動がなんとなく読めてきたぞ。今度からこっちがからかってやろう。


「もう見せてあげない」


「自分が我慢できなくなるんじゃないか?」


 俺がそういうと桜は顔を真っ赤にした。図星だったみたいだ。俺の反撃も悪くないようだ。


「桜、女の子なんだから自分の体をもっと大切にしなきゃ」


「遼ならいいのよ」


「いや、俺がよくないよ」


 苦笑いを浮かべて俺は桜の前に立つ。とりあえず困った時は頭を撫でる。うん、嬉しそうな顔。天使のようでかわいい。


「遼お腹空いてない?」


「実は桜が作る朝食を楽しみにしてた」


 桜は上目遣いで少し微笑んだ後、俺の手を頭からどけて台所へ移動する。


「少し待っててね。今から作ってあげる。お風呂入りたかったんでしょ? 兄さんの服準備するから入ってきていいよ」


「桜、この前みたいに入ってくるんじゃないぞ」


「今日はもういいわよ。これ以上見られると私が我慢できなくなるもの」


 そういうことでしたら風呂に入らせてもらおう。昨日は入れなかったから少しゆっくりしたい。そういえば俺臭くなかったかな?あとで聞いてみよう。藍も不潔男子は嫌われるって言ってたしな。


 脱衣所で浴衣を脱ぎ、風呂に入る。お湯が張られているってことは桜もお湯に浸かっていてのか。結構早く起きたんだな。


「遼、ここに服置いとくね」


「ありがとう。少しゆっくりしたいから朝食ができたら呼んでくれないか?」


 OKと桜は脱衣所から離れていく。今日はホントに入ってこないみたいだ。我慢できなくなるってのは少し興味があるけど間違いを犯すのはよろしくない。


 湯船に入ると体が温まり心が安らぐ。この時間は誰にも邪魔されたくない最高の時間だ。少し現状について考えてみる。


 桜といるのは気が楽で会える時間が短い分内容が濃い。ただしいつ襲われてもおかしくない。花とは学園でも会える、というより後ろの席なので話す機会が多い。桜ほど濃い時間を過ごしていないがいつも気を利かせてくれて助かっている。ただしいつ監禁されてもおかしくはない。


 どちらもデメリットが大きい。桜の場合は俺が雰囲気や流れに流されてしまうと俺が立ち直れなくなるほど後悔をすると思う。死人のように生きるのは生きているとは言いがたい。花の場合は俺が身動き取れなくなるし下手したら犯罪だ。犯罪はだめです。


 俺が早く決めればいいのだが、そう簡単に決めていいことではない。人生は難しい。無理ゲーにもほどがある。


「遼、そろそろできるから出てきてね」


 桜に呼ばれたので考えを停止させ、脱衣所から出たのを確認してから風呂場から出る。今の桜なら全裸で待ち構えていてもおかしくはなかったが、ホントに今日はなにもしないようだ。


 体を拭き、お兄さんの服を借り、脱衣所を出る。桜の作る料理は優しい味がするから楽しみである。何を作ってくれたか楽しみにしながら桜の待つダイニングへ向かうのであった。

ラッキースケベって経験あります?

私はないです。

ラッキーに頼るのではなく自分から見せてくれるようお願いします。

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