27.The past of the orcinus orca
ソレン王国南境、断崖の海角。
毎年冬至、波が最も高く、風が最も激しい日になると、守海人は一人で一葉の小舟に乗って海に出る。そして「鯨落の墓場」と呼ばれる暗礁群の中で一晩を過ごす。
その夜、海底から鯨の群れの鳴き声が聞こえるという。守海人にだけ聞こえる声だ。
この伝統は四百年続いている。
四百年の間、守海人の継承は途絶えたことがない。
これは守海人の伝統であり、さらに言えば鯨系武学の伝統でもあった。
だが、鉄浮の代で、その継承は断たれようとしている。
なぜなら鯨系武学は、世間から「下等武学」と認められているからだ。
三百数年前、ソレン南境はまだ散り散りになった漁村だった。
海賊、海獣、嵐が入れ替わりに荒れ狂い、漁師たちは明日をも知れぬ暮らしを送っていた。
ある日、素性の知れない老人が海辺にやって来て、岩の上に三日三晩座り込んだ。波を聞き、潮を見、鯨を観察した。
四日目、彼は海に飛び込み、傷ついたザトウクジラと七日七晩泳いだ。
そして帰ってきた時、彼は三つの武学を持ち帰った――やがて鯨系武学を形作る、三つの武学を!!!
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時は約五十年前。
場所はソレン南境、断崖の海角の漁村。
鉄浮という名の子供がいた。
この貧しい町では珍しい、物静かな子供だった。
一週間分の給金で買った眼鏡をかけ、三週間分の給金で買った法律書を読み、
いつか弁護士になって、この忌々しい海辺を出て行くことを夢見ていた。
そう。
この忌々しい海辺。
母のリウマチが止まらない、この海辺。
日ごとに働き、日ごとに学び、
日ごとに黒パンを二斤、日ごとに薬を三服。
だが、母の手が自分の頭を撫でるたびに、
すべてが少しだけ、それほど苦しくはなくなるのだった。
しかし十六歳のある日、彼が合格通知を受け取ったその日――
三人の男が、深紅の制服を着て、腰に短剣を下げてやって来た。
先頭の男が彼を一瞥した。その眼差しは、邪魔なゴキブリを見るそれだった。
「お前が鉄浮か?」
「……はい。」
「お前の母さんは、我々と一緒に来てもらう。ヴィリディ家の家事だ。」
「何だって、アイゼンベルグ――俺たちは知らない――」
男が顎をしゃくると、横の二人が左右から鉄浮の母を抱え上げて外へ引きずっていく。
母は抵抗しなかった。ただ振り返って鉄浮を一瞥し、唇を動かした。声にはならなかった。
鉄浮が飛びかかると、三人目に胸を蹴られた。
二メートルほど飛ばされ、背中を机の角に打ちつけ、眼鏡が鼻梁から滑り落ちて地面に落ち、レンズが三つに割れた。泥の上にうつ伏せたまま、三人の後ろ姿が戸口の向こうに消えるのを見ていることしかできなかった。
母の藍色の布団がベッドの端から滑り落ち、地面に積もって、溶けた水のように広がっていた。
彼は這って行き、割れた眼鏡を拾い上げた。銅線がまだツルの周りに絡まり、レンズの三本の傷が七本に増えていた。
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鉄浮は村の東の岩の上に三日間座った。
食べず、飲まず、喋らず。
あらゆる手段を試した。たとえ自分が法を知っていても、相手が法を犯していても、
すべては貴族――ヴィリディ家の側に立っていた。
波は荒かった……だが、自分をさらおうとはしない。これは一体……
一人の老人が彼の隣に座った。灰白色の髪を短い三つ編みにし、裸足で、足の指は木の根のように太く短く、肌は海水に浸されて濃い褐色になっている。ボタンのない前合わせの褂を着て、胸元には鎖骨から腰まで走る古い傷跡が覗いている。
彼は第二十三代守海人、沈鯨。
懐から小さな陶器の瓶を取り出し、栓を抜いて自分で一口飲み、そして鉄浮に差し出した。「飲め。」
鉄浮は受け取らなかった。老人も無理強いはせず、陶瓶を二人の間の石の上に置いた。
「お前の母さんのことは、少し知っている。ヴィリディ家のことも、少し知っている。知りたいか?」
鉄浮はようやく顔を向けた。その目――割れたレンズの奥のその目――は、血に浸したガラス玉のように赤かった。
「知りたい!」
「なら、俺について来い。俺はお前の母さんを救えない。だが、お前を母さんを救える人間にしてやることはできる。」
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沈鯨は正式に弟子を取らなかった。
この村で、公然と貴族に逆らった末路が何であるか、誰もが知っていた。
沈鯨は秘密裏にしか教えられなかった。毎日深夜、潮が引いた後の岩の洞窟で、海風に揺れる油の灯りを一盏点して。
数百の夜、裸足で岩の上に立ち、沈鯨の指示に従って呼吸し、站椿し、拳を出す。
沈鯨の娘もいた。
鉄浮より二つ年上で、名を千濤といった。
気が向いた時、あるいは沈鯨が本当に忙しい時に、彼女が指導した。
「手首をもう少し低く。」
「……こうか?」
「高い。」
「これなら?」
「まあまあ。」
二人の関係もまた、無言のうちに近づいていき、次第にただならぬ情が芽生えていった――
時は瞬く間に四年後。
鉄浮は二十歳になっていた。眼鏡はずっと前に割れてかけられなくなり、そのままかけなくなった。
背が伸び、肩幅が広がり、首が太くなり、灰布の衫の袖口は膨らみ、全体がそこに立っていると、海水に四年浸された木の杭のようだった。外からは何も見えないが、内側はすでに質が変わっていた。
自分は準備ができたと感じた。沈鯨と千濤には告げず、ある夜、こっそりと一人で出発した。洞窟の入り口で三度頭を地面に叩きつけ、そしてまっすぐにヴィリディ家の荘園へ向かった!
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守衛は全部で四十人。主屋の門にたどり着いた時には、体に三箇所の刀傷を受け、左腕は弩の矢に貫かれ、血が腕を伝って流れ、足元に小さな溜まりを作っていた。
地面に押さえつけられた時、深紅のベルベットの上着を着た中年の男がゆっくりと歩いてくるのが見えた。
ヴィリディ家の当主だった。
「お前がアイナの野郎の子か?」
「この犬畜生! 俺はてめえの野爹だ!」
「本当に品がない……お前の母さんがなぜ我が家にいるか、知っているか?」
「精神錯乱か? てめえらが連れて行ったんじゃないか!」
「だが、理由を知っているか? 彼女は我が家の分家だ。我が家には代々伝わる病がある。本家の者は次第に体が弱っていく……唯一の解毒剤は、分家の者の血だ! お前の母さんの血、我々は十二年使った。彼女はおそらくもう少し持つ――計算では、二ヶ月だ。」
「!!!」
「言ってみれば笑い話だ。昔、お前の父親は我々と必死に戦って勝てなかった。今、お前が来ても勝てなかった――」
その後、鉄浮は自分がどうやって四人の護衛を振り切ったのか覚えていない。
ただ、母が囚われている部屋の入り口に駆けつけた時、千濤がすでにそこにいたことだけを覚えている。
鉄浮の母はそこに横たわっていた。四年前より一回り痩せ、腕は針の跡で埋め尽くされ、密集して、かさぶたになったものもあれば、まだ血が滲んでいるものもあった。顔はほとんど透明で、唇だけが暗赤色――つい先ほど噛まれ、血を吸われた痕跡だった。
「鉄浮……」
その声は、乾いた葦を風が吹き抜けるようだった。
鉄浮はベッドのそばに跪き、母の手を握った。
その手は四年前よりずっと軽く、枯れ木のように軽く、皮膚は薄くて下の青い血管が見えた。
「ごめん……母さんはお前に申し訳ない……」
「喋らないで、喋らないで――」
「大きくなったね。」彼女は手を伸ばし、鉄浮の顔を撫で、指が彼の鼻梁で少し止まった。「眼鏡は?」
「割れた。」
「また割れたのね。」
枕の下を探り、一つのものを取り出し、鉄浮の手のひらに押し込んだ。ネックレスだった。銀の鎖、ペンダントは小さな透明な珠で、中に何かが包まれているようだが、薄暗い灯りの下ではよく見えない。
「これは……お前の父親のもの。彼は一生、正々堂々と生きていた。なのに、この忌々しい私のために死んでしまった。お前は……必ず……しっかり生きて……そして……やましいところなく……」
「もう言わないで、母さん、もう言わないで、連れて行くから――」
もう言う必要はなかった。
彼女の手が緩んだ。
目はまだ開いていて、瞳には天井の揺れる油の灯りが映っていた。
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事は隠し通せなかった。
まず国王の軍隊が鉄浮を捕らえに来た。
次に沈鯨が責めを負い、数年も経たずに亡くなった。
鉄浮は叛国賊の名を貼られ、強制的に次代の守海人の職を押し付けられ、永遠に海辺を離れることはできなくなった。
こうして、守海人は屈辱の職業となり、鯨系武学は恥ずべき武学となった。
だが、日々は過ぎていく。
鉄浮と四海は断崖の海角で結婚した。
儀式も、客も、宴もなかった。
やがて一人の娘が生まれ、一人の不出来な弟子を取った――
最後に最後に、なぜ今日、私がこんなに詳しく沈鯨鉄浮の物語を語ったのか――
それは、レナールが去った夜の十一時、天夢がちょうど碁盤を片付けてベッドに入ろうとしたその時、
鉄浮の右腕が完全に切り落とされ、足を引きずりながらヴィリディ家に戻ってきたからだ!




