25.Just like the good-for-nothing——
俺は部屋の窓際にある、普段寝ているベッドに寝転がっていた。
大の字で、靴も脱がず、両目は虚ろ。
隣では、ヒヤシンスとパルティが部屋の中をぐるぐると走り回っている。もう一日中走っている――
どういうことだ? 俺は屋敷全体を爆破したはずじゃなかったのか?
事の次第はこうだ。
屋敷はめちゃくちゃで、使用人たちは負傷者の手当てに追われ、三人の貴族は庭に倒れている。シンディとマシュグは刀で出血しながらもまだ立っていられるが、レナールは失血がひどくて部屋に運ばれ、口に干しナツメを詰め込まれている。シーハイ夫人が全員を指揮していて、その声は屋根を吹き飛ばさんばかりだ。
パーフェクト!
今こそ俺が大仕事をやる時だ!
俺は振り返り、つま先を――
「全員――広間に集合――!!」
……今?
「全員! すぐに! 全員の安全を確認する! 一人も欠かさず!」
ヒヤシンスが厨房の方から走ってきて、口にはどこからくすねたのか焼き肉をくわえている。パルティがその後ろをついてきて、ピンクの膨らんだドレスは灰だらけだ。二人は使用人に押されるように広間へ向かい、俺の横を通る時、ヒヤシンスが翼の先で俺の手の甲をつついた。
「行くよ、何ぼーっとしてるの?」
「……ああ、うん。」
広間は人で溢れていた。使用人、女中、料理人、庭師、馬丁、それに犬まで連れてこられている。三人の貴族はソファに安置され、レナールは仰向けに寝て、口から干しナツメが二粒こぼれている。シーハイ夫人が濡れタオルを彼の額に当てている。
シーハイ夫人は広間の中央に立ち、両手を腰に当て、その視線で人混みを頭のてっぺんからつま先まで梳くように見渡した。
「女中頭。」
「はい。」
「被害報告を。」
女中頭が一歩前に出る。手にはしわくちゃの手帳が握られ、その顔はまるで悪夢から出てきたばかりのようだ。彼女は最初のページを開き、咳払いを一つした。
「屋敷本体に重大な損傷はありません。東の間の窓が三枚割れ、玄関ホールの木の扉にひびが入り、庭の石畳が広範囲にめくれ、裏の壁の一部が崩壊。厨房:鉄鍋が一つ変形、包丁二本が刃こぼれ、小麦粉の袋が三袋倒れました。」
彼女は二ページ目をめくる。
「酒蔵:赤ワインの樽が二つ破裂、白ワインの樽が一つの流れ矢に当たり、損失は約……四割。」
レナールがソファでかすかなうめき声を上げた。失血のせいか、酒のせいかは分からない。
「武器庫:長剣が三本落ち、鎧が一着歪み、壁の装飾盾が落ちて床を壊しました。」
女中頭は三ページ目をめくり、指を紙面で止めた。眉が毛虫のように縮まる。
「……地下室:ライ麦粉、五袋、屋敷全体に。地下室から屋根裏まで、厨房から馬小屋まで、玄関ホールから裏庭まで……どこにでも。」
広間が一瞬静まった。
全員が自分の足元を一瞥する。案の定、靴の裏、ズボンの裾、スカートの裾、それに連れてこられたあの犬まで、全身に薄っすらと黒い粉をかぶっている。
犬がくしゃみをし、小さな黒い霧を吹き出した。
シーハイ夫人の眉が吊り上がる。
「誰がやった?」
俺は人混みの後ろの方に立ち、ちょうどワイングラスに入ったぶどうジュースを口に流し込んだところだった。瞬間、吹き出す。前の女中にぶっかかる。
「すまん、むせた」
あれはライ麦粉だ。
小麦粉だ。
俺は屋敷全体の隙間に小麦粉を撒いた。
しかも一晩中撒いた。
道理でパルティが今朝嗅いだ時に何も匂わないと言ったわけだ……小麦粉は元々無臭だからな!
どうりで撒く時あんなに細かかったわけだ……火薬はもっと粗いはず……だよな?
いや、俺も火薬に触ったことなんてないんだから、火薬の感触なんて知るわけない!
でも小麦粉。
小麦粉)
屋敷全体に小麦粉を撒いた。
昨日はまだ「もし起爆に失敗したらどうしよう」なんて考えてた。今となっては、起爆の可能性すらない。何で爆発させるんだ? 小麦粉爆発か? 小麦粉だって爆発する――
シーハイ夫人の視線がレーダーのように人混みを走査し始めたその時――
片手が挙がった。
パルティ。
……
パルティ。
パルティ、お前何で手を挙げるんだ。
約束しただろう。
「腹の中にしまっておく」って言っただろう。
パルティさん、もし今「先生が撒けって言った」なんて言ったら、俺はその場で爆発する。火薬も起爆もいらない。俺自身が人型爆弾だ。
パルティはさらに手を高く挙げ、つま先立ちになり、まるで授業で挙手して答える生徒のようだ。
シーハイ夫人が目を細める。
「パルティ? 何か知ってるの?」
「お母さん! 私が撒いたの!」
広間が再び静まった。
俺の手に持ったワイングラスが宙で止まり、残ったぶどうジュースがグラスの内壁でゆらりと揺れる。
…………何?
「お前が撒いた?」
「うん! 先生が――」
来た。
来た来た来た。
本花天夢、十六歳、異世界人、創世神種族、Lv.4、十八歳のバカお嬢様に広間で公然と名指しされる――
全員殺せるか? 勝算は? 三割超えたらやる!
「――先生がある日、東洋の風水の知識を教えてくれたの! 家の気が滞ると宴会が不吉になって、アップルパイが焦げるって! だから私、お母さんの役に立ちたくて、先生に家に黒い粉を撒けるものがあるか聞いたら、先生が『鎮宅墨粉』とか言うから……それで私、自分で地下室に行ってライ麦粉を見つけたの!」
パルティは胸を張る。
「私が撒いたの! 全部私が撒いたの! 地下室から屋根裏まで! 一晩中!」
広間の全員が彼女を見ている。
俺も彼女を見ている。
ナイスジョブ!
よくやった! よくやったぞ!
今週はお前に宿題を出さない!
シーハイ夫人が深く息を吸った。
そして彼女は俺の方を向く。
「天夢?」
「は、はい?」
「パルティの言ったこと、本当?」
俺はワイングラスを置き、表情を真剣に、眼差しを誠実に:
「夫人、確かに私はパルティに東洋の……民俗をいくつか話しました。ですが、彼女が地下室で何かを探すとは思っていませんでした。これは私の責任です。」
「あなたが教えたの?」
「はい……宴会の成功を祈る一種の儀式です。」
「ライ麦粉で?」
「私の故郷では……黒い粉を使います。主成分は乾燥させた墨粉です。」
シーハイ夫人は三秒間、俺をじっと見つめた。
そして彼女はため息をついた。
「パルティ。」
「はい!」
「小麦粉を撒いたのは宴会の成功のため?」
「うん!」
「じゃあ、今、成功してると思う?」
パルティは考えた。黒い灰まみれの部屋中を見、ソファで口に干しナツメを詰めたレナールを見、庭の大穴を見た。
「……あんまり。」
「そう。だから次は――もう撒いちゃだめ。」
「分かった……」




