23.Up!Sisiter!Up!
「すみません――」
外から声が聞こえた。
「――どうか、哀れな私を哀れんで、中に入って足を休めて、水を一杯いただけませんか?」
俺は振り返った。
脳が完全に停止した。
門口に女が立っている。
いや、違う、絶対に違う!!!
「女」という一言で片付けるには軽すぎる!
彼女は全体が、修道服に無理やり押し込まれた肉色の要塞だ!!!
褐色の肌が、玄関ホールから差し込む日光の下で金属に近い輝きを放っている。無袖の修道服の袖口から伸びる二本の太い腕は、筋肉の線が彫刻刀で刻んだかのようにくっきりしている。肩幅は俺の全身がすっぽり収まるほど広く、胸元の布はぱんぱんに張り詰め、腰はしかし力強くくびれている。修道服の裾はチャイナドレスのように体を覆っているが、その輪郭から分かる……そう! あの脚は絶対に細くない! あの尻と胸は「大きい」を超えて「でかい」! 白いニーハイソックスが裾の下から覗き、ぴったりと包まれたふくらはぎの筋肉がソックスに細かい筋目を浮き上がらせている。黒いロングブーツの履き口は膝の下で止まり、ブーツの表面には乾いた泥の点がこびりついている。
二本の巨大な、わずかに前に湾曲した牛の角が、ふわふわの白髪から突き出ている。白髪は長く、巻き毛でふわふわと肩と背中に広がり、まるで雲の塊を無理やり頭に押し込んだようだ。
両手には肘の上まで届く長い白手袋をはめていて、手袋の指先にはうっすらと膨らみが見える。おそらく長年拳を握ってできたタコだろう。
これが修道女?
どう見ても修道女じゃないだろ!!!
修道女といえば、慈悲深く、優しく、聖書や数珠を手にした姿のはずだ。目の前のこの人物から受ける視覚的衝撃は、教会で全武装した装甲車を見た時のそれに等しい。「詠唱なしで一発殴れば人を殺せる」というような威圧感が押し寄せる――彼女が一発で壁を打ち抜き、二発で梁を叩き潰し、三発で俺を地面にめり込ませる光景すら想像できる。
「すみません、ええと――私は北から来た修道女で、巡礼の途中です。この地を通りかかったのですが……中に入って足を休めて、水を一杯いただけないでしょうか?」
彼女がそう言うと、牛の角がわずかに揺れ、門枠の上の石レンガにぶつかりそうになった。
彼女自身もそれに気づいたらしく、少し首を傾けた。
巡礼の修道女。
北から来た。
誰が信じるかあああああ!!!
まずい! 早く誰かを呼ばないと! 絶対に殺される!!!
彼女が突然腰を曲げた。
その動作は速く、そして重かった。両手を膝に当て、全身を直角に折り、ふわふわの白髪が肩から滝のように垂れ落ちる。牛の角の先端はほとんど地面の石板に触れそうだ。
まずい! 突進を使う気か???
「私は、ここに来たこと……きっとルシフェット様の意志と導きによるものだと……だから……」
空気が一瞬静まった。
玄関ホールの蝋燭の炎がゆらめき、光が彼女の褐色の肌の上を滑り、肩と首のたくましい筋肉の輪郭を照らし出す。彼女はうつむき、手袋に包まれた指を膝にぎゅっと食い込ませ、その姿は恭順で、ほとんど敬虔だった。
そうか、この世界の人々はまだ、自分たちの勇者様が女神様を殺したことを知らないんだった。今思い出した。
……いや違う!! 今の重点はどうするかだあああ!!!!
「あの……シスター……どうかお立ちください! ここでお待ちを……水を持ってきます!」
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厨房にはアップルパイの甘い匂いと焼き肉の脂の匂いが充満していた。数人の使用人がパンの籠を次々と食卓へ運んでいる。俺は錫の水差しを取り、木の杯に水を注いだ。指が少し震え、水差しの口が杯の縁に当たって「ちん」と音を立てた。
「……何してるの?」
風信子が門口から半分だけ顔を出した。オレンジ色の短い髪には、まだパルティの作り物の翼が歪に刺さっている。緑の目は二本の線のように細まり、口角は奥歯が見えるほどに上がっている。
「水を注いでる。」
「誰に水を注ぐの〜?」
「お前には関係ない。」
「『お前には関係ない』って誰だよ〜?」
「殴るぞ。」
俺は杯を持って振り返り、すぐに出ようとした。彼女が一歩で門口に立ちはだかり、翼を広げて、まるで行く手を阻むオレンジ色のヒヨコのようだ。
「なんで追いかけてこないの?」
「暇じゃない。」
「怒ってるでしょ?」
「怒ってない。」
「嘘つき、口元が引きつってる。」
「これは顔面の筋肉の痙攣だ。」
俺が何か言い返そうとしたその時――
「わあ――!」
ピンク色の塊が横から飛び込んできた。パルティが風信子の背中に全体重をかけて飛びつき、両手で正確に彼女の脇腹を掴んで、狂ったようにくすぐり始める。
「はははは――やめて――はははは――パルティ――あんた――はははは――!」
風信子は笑いながら翼をばたばたさせ、作り物の翼の頭飾りが飛んで地面に落ちた。二人はもつれ合って厨房の床を転がり、空の木桶をひっくり返し、そばにいた女中が悲鳴を上げてアップルパイを頭の上に掲げた。
俺は二人を迂回して、門口へ向かう。
「あ! 先生!」
パルティが風信子の上から顔を上げた。髪はぼさぼさで、顔には笑った後の赤みが残っている。
「先生! 背の高い強そうな修道女を見なかった?」
俺の足が止まった。
「……何の修道女だ?」
「すごく高い! すごく強い! 角があって! 髪が白くて! 修道服を着てる!」パルティは両手で胸の前にとてつもなく大げさな弧を描いた。「――超大きな修道女! お母さんがどこにいるか聞いてきて、それから食卓の方に行くって言ってたけど、もしかして宴の客人なのかな? でもお母さん、修道女が来るなんて言ってなかったよ? 先生、知ってる?」
背中に冷たいものが走る。
「彼女……食卓の方に行ったのか?」
「うん! さっき玄関ホールから歩いて行って、お母さんの方向を指さしてあげた――」
言い終わるのを待たず、俺は手で杯の口を覆いながら――いや。パルティが食卓の方に行ったと言ったなら、もう門口まで確認しに行く必要はない。直接裏庭だ!
!!!やっぱりここだ!!!
背の高く重厚な影が、庭の陽光のあたる場所で止まっている。
俺は急いで立ち止まり、水を差し出した。
「シスター、水をお持ちしました……あれ?」
そこで初めて気づいた。彼女がじっと見つめているもの――庭の中、テーブルは割れ、三人の大人はすでに戦闘態勢に散開している。向かいにいるのは……赤く凶悪な鬼の面と手甲、黒く長い長衣、黒い刃、黒い柄、黒い鍔の人物(性別不明)。
「お前たち、招かれざる客がいるな」
俺の隣の修道女は軽くそう言い、遠慮なく俺の手から水を奪い取り、一気に飲み干した。




