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使えないと追い出された生活魔法使い、無限の魔力で生活無双  作者: 九頭七尾


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第92話 完全にお役御免なのだ

 巨大カエルが舌を使ってハンマーを叩きつけると、まるで爆発したかのような勢いで壁が破壊された。

 大きな漆黒の塊が地面に転がり落ちる。


「た、たった一撃で……これではパワー自慢の吾輩が、完全にお役御免なのだ……」


 アルテアさんが呻く中、僕たちはアダマンタイトを確認した。

 そのサイズは予想を大きく超えていて、長いところだと一メートル近く、短いところでも五十センチ以上はあるだろう。


「と、とんでもない大きさですの」

「これだけで全員分の装備をそろえられるんじゃないかしら……?」

「……早く骨骨骨骨骨っ……」


 今までに集めたアダマンタイトと合わせれば、パーティ全員の装備を作るのに、きっと十分な量だろう。

 むしろ余るかもしれない。


 というわけで僕たちは、探索を終えていったんギアの街に戻ることに。


「骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨骨っ!」

「わ、分かってますよ。できる限り骨を回収してからいきましょう」


 一帯に積み上がっていた魔物の骨という骨を、〈小物収納〉を使って亜空間の中に放り込んでいく。


「ひひひひ……これで最高のキメラが……ひひひひひ……」

「……じゃあ、今度こそ帰りますよ。ただ、その前に……この魔物はここに置いていこうと思います」


 ペットにしてしまった巨大カエル、もとい、エンペラーギガトード。

 さすがにこんな巨大な魔物を、これからの冒険に連れていくのは現実的じゃない。


 ……街に近づいただけで大パニックになるよね。


「ええ、それがいいと思いますわ」

「右に同じなのだ」

「こんなの魔境の外には連れていけないものねぇ」


 ローザさんたちも同意してくれたけれど、ただ一人、カーミラさんが声を荒らげて訴えてくる。


「そそそ、そんな……っ!? こんなに懐いているのにっ……可哀そうだと思わないの……っ!? あなたたちに愛護精神はないの……っ!?」

「……魔物を切ったり貼ったりしているアンタに言われる筋合いはないでしょ」


 タティさんの言う通りだった。


「じゃあ、元気でね」


 ……いやもう死んでるんだっけ。


「また機会があったら遊びにくるよ」


 そんな機会は来ない気もするけど。


「げこ」


 幸い巨大カエルはあっさり受け入れてくれた。

 元々この場所が棲み処だしね。


「〈即帰宅〉」


 ギアの街に戻った僕たちは、お世話になった夢追い亭・別邸の店主さんに魔境を離れることを伝えた。


「えっ? もう帰っちまうのか!? まだ来たばっかりのはずだが……」

「ええ、すでに目的は果たしましたもの」

「目的って……確かアダマンタイトだったよな? パーティ全員分の装備をそろえるとなると、相当な量が必要で、最低でも一年……下手したら何年もかかるはずだぞ?」

「……ですわね。あたくしも、まさかこんなに早く魔境探索が終わってしまうなんて、思いませんでしたわ」


 店主さんが疑いの目を向けてくるので、採掘できたアダマンタイトを見せてみることに。


「ななな何だっ、このでけぇアダマンタイトはあああああああああああああああっ!?」


 仰天のあまりその場にひっくり返る店主さん。


「こんなでけぇの初めて見たぞ!? どこで見つけたんだ!?」

「魔境の底ですわ」

「魔境の底だとぉっ!?」


 店主さんはひとしきり驚いてから、


「何十年もこの魔境にいて、とんでもねぇ冒険者をたくさん見てきたが、さすがにあんたたちが一番だぜ……」

「……褒めていただけるのは嬉しいけれど、ほとんどライルくんのお陰ですの」


 そうして僕たちはギアの街を後にした。

 もちろん〈即帰宅〉を使って、魔境から一気に地上へ。


「す、すごい豪邸なのだ……」

「一応、アーゼルの街にある僕の家です。色々あって領主様に貰ったので」

「何があったら領主から家なんて貰えるのだ!?」


 帰宅したのは都市アーゼルの家だ。

 グラトニーレギオンからこの街を救ったことで、頼んでもいないのに領主様が一等地にある豪邸をくれたのである。


「えっと、アダマンタイトの武具を造るには、ドワーフの国に行く必要があるとのことでしたけど、ここアーゼルから向かった方が近いんですよね?」

「そうですわ。もっとも、ドワーフの国があるのは大陸の辺境。ここからでもかなりの距離がありますけれど」


 一度ここアーゼルに飛んできたのは、目的地であるドワーフの国に近いためだった。


 ドワーフ。

 獣人と同じく亜人の一種とされ、背丈こそ低めではあるものの、武骨で屈強な体躯が特徴的な種族だ。


 鍛冶の才能に長けていて、彼らの打つ武具はどれも一級品ばかりだという。

 そしてアダマンタイトという最硬の鉱物を加工できるのは、世界中で彼らドワーフしかいないと言われていた。


 と、そのとき。


「ライル君? また生活魔法を使って戻ってきていたのですか?」


 聞き慣れた声がして振り返ると、リーゼさんの姿が。

 パーティメンバーのゴルドンさん、ユズリハさん、そしてピンファさんもいる。


 彼女たちは、ここアーゼルを拠点にして活動しているCランク冒険者。

 せっかくいただいたこの豪邸を空っぽにしておくのは勿体ないので、彼女たちに宿代わりに使ってもらっているのだ。


「あら? 久しぶりですわね、リーゼ」

「ローザ姉様!? それに、パーティメンバーたちも……? 皆さんそろってどうされたのですか? 魔境の探索は……ああ、もしかして小休止でしょうか。高難度の魔境探索は、肉体的にも精神的にも大きな負担があると聞きます。幸いライル君の生活魔法を使えば、いったん魔境から離脱することも容易いですし……」

「いえ、無事に目的を達成し、魔境の探索は終わりましたわ」

「……へ?」


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きねづか
5月8日発売!!!
― 新着の感想 ―
このアダマンタイト、、、国宝級では? 加工せずに売るか献上したら褒賞でもっと良いもの貰えそう
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