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悲しいかな、現実はこういう生理現象が知らせてくる。
俺は昔から鼻の粘膜が過敏だった。
鼻水の質によってどういう対応かある程度分かる。
スライム玩具のような着色をされた鼻水は病気への抵抗。
さらさら透明だと水分取りすぎによる放出や寒さへの準備として水分を排出して粘度を上げる対処。
粘って泡が多いと自浄作用で異物処理。
異物が尖っていると血を連れてくることもある。
埃っぽい部屋で小麦があるなら様々な出来事の続きであることを疑うこともない。
しかし、鼻水であることがおかしい。
人体は水分が多い。
鼻水として排出する水分は呼吸と比べてもかなり多いだろう。
意識が無くここがニャポンとしても、その間水分は失われるはずだ。
一瞬でここに運ばれたとは考えられない。
何日も揺られたり縛ったり奏でたり、関係ないがつまり時間経過で体内の水分は少なくなる。
余程悪い空気でなければ鼻水として水分を供給する余裕はないはずだ。
つまり固形の鼻くそができてないのがおかしいのだ。
どうでも良い話のようだが気になる。
記憶から答えとなる材料を探すことにした。
過去の砂漠での暮らしを思い出す。
当然砂は鼻に侵入しては部屋を荒らして横暴を極める。
防犯装置となっている粘膜の薄いところで暴れるとくしゃみという強力な空気砲で排除する。
砂という奴らは寝ている時でも容赦せず居座る。
実にふてぶてしい奴らだ。
大体の奴は部屋でつるんで固まっている。
部屋のオーナーであるおれはその集団が気に障ると排除する。
彼らが恐れるのはその排除執行者である小指。
その片棒の爪である。
ブルドーザーなどには比べられない自由度で動き回り残らず排除される。
たまに逃げ延びた奴は壁と爪に挟まれ血に絡め捕られる。
そんな攻防が砂漠では茶飯事であった。
だが部屋の機能は時と場合で一変する。
スープの湯気は乾いた粘膜を潤し、雨季では湿度で潤して滞っていた異物排出のために鼻水となる。
飢えの激しい時でもこの場合は鼻水が作動した。
寒さや嘔吐での逆流でも起こるが状況的に違う。
今は小麦以外に食事をした記憶がない。
マラカスNo3の時はオナラは出たが鼻水は出なかった。
小麦が吸湿材になっていたのだろうか。でも唾液は出ていた。
つまりこの鼻水は食事以外の可能性である雨季などの環境による可能性が高いことになる。
鼻水の物量は雨季のそれをはるかに上回っていたがひとまずこの可能性が高そうだ。
推測にたどり着くと、長考で少し乾きだした鼻水を味見してみた。
(しょっぱくない)




