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γ7

γ7


 何か声をかけてやろうかと思う。



 No1からすれば逃げるための協力者がいきなり奇声を上げて逃亡の妨害をしたのだから。



 面倒だからこう言うことにした。



 (災難だったな)



 と。心の中で。




 灰服が二手に分かれて片方はNo1に近寄っているらしい。



 小麦の音から察するに、臭いの原因に蓋をしているのかもしれない。



 損な役回りで可哀想ですね。そう伝えたいところだ。

  


 灰服が戻ってきたようだ。



 「どっちにする?」



 「この場合は……こっちだな」



 「ん……屁こいた?」



 「あいつだよ。ったく」



 「そうだよな、お前すかしっ屁とかしないよなー」



 「殴られたくないならさっさとやるぞ」



 「あいあい~」



 灰服達は何度かやり取りをして何かしたらしい。



 スプレー音がする。



 殺しはしないと思う。けれども不安にはなる。



 防臭のためとは思えないし。



 また意識飛ばされるのだろうか。



 どこに運ばれるのだろう。



 暗くなって灰服達が再び運転するまで時間はかからなかった。



 しかし眠るまでは時間がかかった。



 「ははは!漏らしてたのかよ!」



 盛大な笑い声が聞こえる。



 No1を思い出したのだろう。



 それなら笑いのわかるやつらなんだろう。



 ここで笑わなかったのは聞き取られるのを警戒したのだろうか。



 それが分かったところでどうしようも無いけれど。



 しばらく笑い声がして嗅いだことのない刺激臭がした。



 辺りに蔓延して不安に駆られるとようやく意識が遠退いた。






 意思が回復した。



 変な夢は終わったらしい。



 No1もNo2もいない。



 No2は物音ひとつしなかったが中に居たのだろうか。



 No1は……



 考えるのを止めた。



 思い出さなくて良い夢だ。




 まぶた越しに薄暗いのが分かる。



 すぐさまけのびをしたくなった。



 狭いのだろう。



 けのびした手は伸びきらず何かにぶつかった。



 樽や小麦もない。



 夢で良かった。



 しかし毛布が掛けられていた。



 いつもと違う。



 すぐに目を開けた。



 薄暗い牢屋にでもいるのかと思った。



 光がそこかしこに漏れている。



 いつもの光じゃない。 



 寝ていたのはベットとは言えないが心地よい弾力のあるマットのようだ。



 体を起こすとどうも臭い。



 寝てても臭かったのだろうが寝起きは鼻が効きにくい。



 鼻水を地面に放出することにした。



 失敗した。



 サッカー選手のようにはうまくできない。



 鼻水は鼻を離れずにしっかり垂れた。



 片方は風船を作ることに成功したようだ。



 指で拭った鼻水を凝視するとふやけた小麦が生き残っていた。



 (現実か……)



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