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『ワールドマスター』/サイバーソーシャルネットゲーム  作者: 著者不明
ERROR2 『無情なるチュートリアルプログラム』
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プロローグ

【二一五三年/空月二七日/闇の日/一六〇四時/チュートリアルの世界/ルソルの村】


 がやがやと聞こえてくる声に眼を開けると、そこはすでに『ワールドマスター』の中だった。

 自分の身体を見やって、姿を確認してみる。

 動きやすさを重視したゆったりめの白い装束を着ていた。生地はめちゃくちゃ薄手だし、防御力なんてあってないような装備なんだろうなー。

 何かの紋様なのか刺繍が施されたノースリーブのシャツに、ズボンという簡素な服装だが、それなりに洒落ていた。

 うん、悪くない。イケてるイケてる。

 これが初期装備なのだろう。辺りを見回すと俺と同じようにプレイヤーたちがすでに大勢ログインしていた。女性プレイヤーはゆったりとした半そでシャツに、スカートという出で立ちのようだった。

 これもなかなか可愛い。特に、ちょっと動けば下着が見えそうなところがとても良い。

 男心を分かってるじゃないか、〈黒ウサギ〉たん!

 しかし、俺と同じように初期設定の服装でログインしているプレイヤーは意外にもかなり少なかった。

 ゴツい鎧を着た格好から、魔術士のようなローブ姿、クマの着ぐるみ、ニメートルはあろうかというロボットまで、あらゆる格好のプレイヤーがいる。

 おそらく先行配布されていたらしい公式ツールで服装のイメージデータを作成していたのだろう。

 余談だが、先ほどの説明を聞く限り、どんなに強そうな装備に見えてもイメージデータを使った装備は元になった装備の性能から劣化した性能になるらしい。つまり、彼らが着ている鎧は俺が着ている布でできた初期装備よりもさらに劣る性能になっているはずだ。

 自分の身体を確認する者、早速村人たちに話しかけている者、PTを呼びかける者、セルズ勧誘を行う者……行動はそれぞれだが、みんな一様に始まったばかりの冒険を期待して良い顔をしている。

 俺が嫌がる女の子をハグした時みたいにお肌がてかてかしている。

 まるでお祭りにでも参加しているようなはしゃぎようだ。

 いや、事実これはCSNゲームをプレイするすべてのプレイヤーにとって祭りなのだろう。

“人類への挑戦状”という人類VS人工知能の攻略合戦、もう一方でサイバーセルズの最強決定戦、さらに賞金一〇〇億円争奪戦――虎雄が言うようにCSNゲーム界の大きな大きな祭りが始まったのだ。



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